火星探査車〝オポチュニティ〟が13日の間隔をおいて撮影した2枚の写真が物議を醸しています。2枚は同じ場所を写したものですが、2013年12月26日撮影の写真では存在していなかった白い岩(石)が2014年1月8日撮影の写真に写っていたからです。以下は、1月21日にNASAが発表した文書です:
白い岩は〝ピナクル・アイランド〟と命名されていますが、これまで火星で見つかっている岩に比べて硫黄とマグネシウムの比率が非常に高いとのことです。
現在、NASAでは〝ピナクル・アイランド〟が突然出現した理由を説明するために2つの仮説を立てています ―― (1)火星探査車の近隣に隕石が落下し、衝突クレーターから投げ出された岩が飛んできた、あるいは、(2)火星探査車の車輪が岩を跳ね上げた。NASAでは後者の可能性が高いと考えています。
マスコミの中にはセンセーショナルに伝えているものもあります:
- Don't panic! Aliens aren't throwing rocks at Mars rover, NASA says
- Mystery on Mars: Scientists baffled after rock suddenly appears out of nowhere in front of Opportunity rover
- A Martian mystery: Where did that jelly doughnut rock come from?
- Martian Ghost Rock Baffles NASA
- Mysterious Mars rock looks like 'jelly doughnut,' defies explanation
火星探査車〝オポチュニティ〟は2004年1月25日(協定世界時)に火星に着陸しました。当初の予定では90日間の探査活動をおこなうことになっていましたが、まもなく着陸以来10年になる現在も満身創痍になりながらも探査活動を続けています:
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