2016年5月19日木曜日

次の大地震は伊予灘・薩摩西方沖?


『東洋経済』誌の記事です。熊本地震を予測できなかったJESEA(地震科学探査機構)顧問の村井俊治・東大名誉教授が語っています。

「熊本地震では2年前から危険性を指摘し続けたものの、間の悪いことに発生の約1週間前に注意情報を解除してしまった」、「『気持ちがブレた』と言うしかない」、「特に中央構造線の延長線上にある伊予灘は要注意。熊本から見て逆方向に当たる薩摩半島の西方沖などでも、大地震が起きる可能性」、「阿蘇山が噴火しない保証はない。江戸時代の巨大地震だった宝永の大地震(1707年)の49日後に富士山が噴火した例もある」:

村井氏/JESEAの「天敵」・横浜地球物理学研究所は次のようにツイートしています:



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次の巨大地震


『日刊ゲンダイ』の記事です。南海トラフの巨大地震以外にも、心配な地域があげられています。「3人の専門家」とは元東京大学地震研究所准教授・佃為成氏、武蔵野学院大特任教授・島村英紀氏(地震学)、元前橋工科大教授・濱嶌良吉氏(地殻変動解析学)です。

「(九州の大地震に)予兆はあったのです。まだ揺れが少ない天草地方は警戒が必要」、「(東北地方太平洋沖地震M9.0は)本震(のマグニチュード)マイナス1の最大余震はまだ起きていない。可能性が高いのは茨城沖、次いで岩手県沖」、「日本列島はアーチの形になっていて、その両端を支えているのが北海道と九州。今回、九州でエネルギーが発散されたので、次は北海道に影響する可能性はあります」:


地震誤報で大混乱 ― 韓国気象庁


5月18日夕方、韓国気象庁が「江原道横城郡(地図)北東1.2キロメートルの地域でマグニチュード6.5規模の地震が発生」との誤報を流し、大混乱が起きました。「地震発生は事実ではない。混乱を招き深くおわびする」:

上記記事では、レーダーを故意に故障させたなど、韓国気象庁の問題点も指摘していますが、同庁は、台風の経路を予報に合うように改竄したのではないかとの疑惑が報じられたこともあります:


チェロ奏者の感じた大地震の予兆


東日本大震災のちょうど1ヵ月前の2011年2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチ近郊でカンタベリー地震(Mw6.1、深さ5km)が発生し、日本人28人を含む185人が死亡しました。

地震の11日前、ニュージーランド交響楽団のチェロ奏者ブリジッド・オミーガンさんは、リハーサルの合間に彼女の故郷でもあるクライストチャーチの中心部を散策していて奇妙な感覚に捕らわれたと述懐しています:

うまく翻訳できる自信がないので原文のまま引用します。“Avon”は市内を流れる川の名前です:
It was a beautiful sunny day in Christchurch. I was looking at the Avon and the land and thinking, I wonder what is lurking beneath the ground?  I had a feeling that things weren't finished with.

It was almost as if the calm and the beauty was unreal and too much and wasn't going to last. It was strange. I remember those feelings.

I had this feeling that mother nature wasn't done with Christchurch yet. It was a strong feeling.

Sadly, my intuitions proved correct.

このチェロ奏者が感じたのと同様の感覚があった時には要注意 ・・・ かもです。


[注] カンタベリー地震と呼ばれる地震には2010年と2011年に発生したものがあります:


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2016年5月17日火曜日

熊本地震と筑紫地震


5月15日付『朝日新聞』朝刊社会面に、「地滑りで別荘65メートル動く 南阿蘇の夫婦、気づいたのは朝」というタイトルの記事が掲載されています。熊本地震の「本震」によって発生した地滑りの土砂が、上に別荘と住民を載せたまま斜面を滑り落ちたものです。記事の一部は以下で読むことができます。「別荘自体は窓ガラスも割れず、別荘前の道路は残り、車も無事だった」:

現地調査した防災科学技術研究所の研究者によると、地滑りは「長さ約100メートル、幅約90メートル、深さ3~10メートルほどの塊のまま斜面が約65メートル滑り落ちた」とのこと。

今から1300年以上前の西暦679年注(天武天皇7年12月)、福岡県南部を震源とする大地震(筑紫地震、推定規模 M6.5~7.5、推定最大震度6弱)でも同じことが起きました。日本書紀に記録が残っています:
十二月二七日、臘子鳥が、天をおおって西南から東北に飛んだ。
この月、筑紫(福岡県)の国で、大地震。地が広さ(幅)二丈、長さ三千余丈も裂けた。百姓の家屋が、村ごとに多く倒壊した。このときある百姓の家が、岡の上にあった。地震の当夜、岡が崩れて(別の)処に(移)動した。しかし、家はまったくなんともなく、こわれはしなかった。家人は、岡が崩れて家が(難を)避けたのを知らなかった。ただ夜が明けてからそれと知り、大いにおどろいた。

山田宗睦訳 『日本書紀(下)』 (教育社新書 <原本現代訳> 41)

今回の南阿蘇村での出来事と非常によく似ています。

筑紫地震で生じた地割れは、1丈は約3mですから、幅約6m、長さ約10kmに達したことになります。

地震記事の直前に臘子鳥(アトリ)の記事があるのは、日本書紀の編纂にあたった史官が、アトリの大群の出現と大地震の間に何らかの関係があるとみていたからかも知れません。少し前の同年10月には、「綿のようなものが、難波にふった。長さ五、六尺、広さ(幅)七、八寸。風のままに松林と葦原にひらひらとふりかかった。時の人が『甘露だ』といった」という不思議な現象も記録されています。

筑紫地震は『日本書紀』だけでなく、『豊後国風土記』にも記録されていて、地震によって温泉が湧き出したり、間欠泉が噴き出したりしたことがわかります:
五馬山。郡の役所の南にある。昔、この山に土蜘蛛がいた。名を五馬媛といった。これによって五馬山という。飛鳥の浄御原の宮で天下をお治めになった天皇(天武天皇)の御世、戊寅の年(六七八注)に、大きな地震で揺れて、山も岡も裂けて崩れた。この山の一つの谷間は崩れ落ち、怒り狂った泉が、あちらこちらに吹き出した。湯の気は盛んで熱く、飯を炊くのに使えば早く炊き上がる。ただ、一所の湯は、その穴が井に似ている。穴の口の直径は約三メートル余り、深いか浅いかわからない。水の色は濃い藍色のようであり、いつも流れてはいない。人の声を聞くと、驚き怒って泥を噴き騰げること、約三メートルほどである。今、いかり湯というのは、これである。

中村啓信監修・訳注 『風土記 下』 (角川文庫 19241)

五馬山(いつまやま)は現在まで残っている類似地名から、大分県日田市天瀬町(地図)付近であろうと推定されています。


注: 筑紫地震の発生年については、西暦678年とするものと西暦679年とするものがあります。日本書紀は、筑紫地震を天武天皇7年(戊寅)12月の出来事としています。天武天皇7年は西暦678年に始まるのですが、12月は西暦679年1月中旬~2月中旬にずれ込んでいます。このため、678年と679年という2通りの記述があるのだと思われます。


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新潟焼山噴火は東日本大震災の“最終章”の始まり


『週刊ポスト』の記事です。広告には「緊急警告」、「第二次東日本大震災を警戒せよ」など刺激的な言葉が踊っていましたが ・・・

「新潟焼山(地図)の噴火は、東日本大震災が引き起こしたもので、近く、さらに大きな噴火が起こる可能性がある」、「東日本大震災を起因とした噴火は必ず起こります。本当に警戒が必要なのはこれからなのです」(高橋学・立命館大学歴史都市防災研究所教授):

新潟焼山の周辺では、2014年11月22日に長野県北部地震(長野県神城断層地震、M6.7、最大震度6弱)が発生しています。また、八ヶ岳南麓天文台の串田氏が予測している大型地震(M7.8±0.5)との関連も気になるところです。


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2016年5月14日土曜日

伊勢神宮に光の輪


5月14日朝、伊勢神宮で日暈と幻日が撮影されました(拡大写真1、拡大写真2)。吉兆でしょうか:


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九州の複数の火山で大きな地殻変動


気象庁が5月12日に発表した4月分の火山活動解説資料によると、九州地方の複数の火山、特に別府-島原地溝帯沿いの火山で、熊本地震にともなう大きな地殻変動(GPSをはじめとする衛星測位システムを使用した観測基線の急激な伸びや縮み、傾斜計の変化)が観測されています。

以下の表に、各火山の火山活動解説資料に記された地殻変動の記述をまとめてみました。火山名のリンクをクリックすると該当火山の解説資料(PDF形式)にジャンプします。また、「―」は熊本地震にともなう変動の記述がないことを示しています:

鶴見岳・伽藍岳 「平成28年(2016年)熊本地震」による影響で基線長に大きな変化が認められています。
九重山 「平成28年(2016年)熊本地震」の影響ですべての基線に大きな変化が認められており、一部の基線ではデータがグラフの範囲外となっています。
阿蘇山 (衛星測位システムの観測基線と傾斜計の双方に)「平成28年(2016年)熊本地震」に伴う変化が認められています。
雲仙岳 「平成28年(2016年)熊本地震」の影響で一部の基線に大きな変化が認められています。
霧島山 傾斜計では (中略) 「平成28年(2016年)熊本地震」の影響により大きく変化し、その後はゆるやかに変化しています(後略)。
桜島 姶良カルデラを挟む隼人-桜島、隼人-鹿児島2の基線に平成28年(2016年)熊本地震の影響によると考えられる変動が認められます。
薩摩硫黄島 ―
口永良部島 ―
諏訪之瀬島 ―


2016年5月13日金曜日

海が割れた! ― 北海道苫小牧市


5月9日午前9時、苫小牧市元町(地図)の海岸で、通常よりも潮が引き、海岸から数百メートル沖にある消波ブロックまで「道」が現れたとのことです。「9日は『大潮』の翌日に当たる『中潮』の日。潮の満ち引きの差が大きく・・・現象が起きたとみられる」(日本気象協会)、「ここに住んで13年くらいになるけど、こんなに潮が引いた景色を見たのは初めて」(地元住民):

海が割れたのは、海底下の地層への二酸化炭素圧入がおこなわれている場所に非常に近いところです:

また、不穏な動きを見せている樽前山が背後にあります:

セント・ヘレンズ山で地震増加


セント・ヘレンズ山(地図)はアメリカ合衆国北西部・ワシントン州にある活火山ですが、1980年に山体崩壊をともなう大噴火を起こしたことで有名です。5月5日付の米国地質調査所(USGS)の発表によると、同山で今年3月半ばから小規模地震が増加し、マグマ溜まりに新たなマグマが溜まりつつあるとのことです:

以下は、USGSの発表要旨です:
  • 2016年3月14日から、セント・ヘレンズ山の深さ2kmから7kmの範囲で小規模地震が発生し始めた。

  • 過去8週間で、震源の位置が特定できた地震の数が130を越えた。規模が小さく位置が特定できない地震の数はさらに多い。

  • 最大の規模はM1.3。ほとんどの地震はM0.5以下である。

  • 地震の発生頻度は3月以来着実に上昇しており、1週間あたり約40に達している。

  • マグマ溜まりに新たなマグマが徐々に流入することによって、マグマ溜まり周辺にストレスがかかり地震が発生しているとみられる。

  • 現在の地震活動のパターンは、セント・ヘレンズ山で2013年と2014年に見られた群発地震と似ている。1990年代に発生した群発地震では、地震の発生頻度がもっと高く、地震の規模も大きかった。

  • 今回の群発地震では、異常なガスの放出、山体の膨張、浅い所での地震発生の増加などは観測されていない。差し迫った噴火の兆候も見られない。

  • マグマ溜まりの再充填は、1987年から2004年にセント・ヘレンズ山で観測されたように、何年にもわたって噴火を伴わずに継続する可能性がある。


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