2020年5月25日月曜日

新しいプレート境界の誕生


インド-オーストラリア・プレート(記事中ではインド-オーストラリア-カプリコーン・プレート)が2つに割れて、新たなプレート境界ができつつある、という研究成果を紹介する記事です:

以下は記事の概略です:
  • インド洋の海底が南北に走る断層で2つに割れつつある。断層の動きは年速 1.7mm で非常に遅い(中東の死海断層は年速 4mm、サン・アンドレアス断層は年速 18mm)。分裂した海底は 100万年後には 1.7km 離れることになる。(地図の左上にある小地図で、赤色の点線が断層)

  • 2012年4月11日に発生した2つの大地震(M8.6 と M8.2、地図中の赤い震源球)は、沈み込み帯ではなくプレートの中で起きた。この2つの地震やその他の地質学的な手がかりは、この地域の海底で何らかの地殻変動が起きていることを示していた。

  • インド-オーストラリア-カプリコーン・プレートは、以前から一枚岩ではなく、実質的に3つのプレートが結合された状態で同じ方向に動いていると考えられていた。

  • 南北に延びる断層帯を 350km にわたって調査した結果、断層上に 62ヶ所の陥没地形を発見。最大は幅 3km、長さ 8km。北ほど浅く、南ほど深い。浅いもので深さ 5m、深いものは深さ 120m。(断面図

  • 陥没地形の形成は 230万年前から始まった。プレート境界としてはまだ未完成で、プレートの分裂が完了するまでに数千万年かかる。

  • プレートの形成と破壊は常に進行している。

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