東京都八王子市長房町(地図)の住宅街で、ササの花が咲いているのが見つかりました。
「種類にもよると思いますが珍しい。私も現物を直に見たことはありません」(園芸植物販売)、「一説によると、この花が咲くと不吉な出来事が起こると言われることもあるそう」(発見者、造園会社):
- 「ささやかな幸せ」開花 長房町で 「百年に一度」とも (写真2葉あり)
参考までに、『森林科学 [特集]ササのユニークな生態とその管理・利用』(PDF形式、全50頁)の第5頁(PDF上は7頁目)には次のような記述があります:
1997 年に千葉・東京・京都など8カ所でモウソウチクの開花が観察された。この年開花したモウソウチクは、1930 年に横浜市で開花した株から得られた実生を各地に移植して育てられていたものである。つまり、異なる環境下で生育していた同齢個体が全て 67 年目に同時に開花したのである(ただし、モウソウチクは、18 世紀に日本に移入されて以来、ほとんど開花が観察されていないタケであり、67 年というのがモウソウチクの一般的な開花周期とは言えない)。
もう一つの例は、やはり 1997 年に開花したミクラザサについての報告である。ミクラザサは、伊豆諸島御蔵島に固有のササであり、この年、御蔵島の個体群はほぼ完全に開花した。そして、これと時を同じくして、20 数年前に三宅島に、10 数年前につくば市や宇都宮市に移植されていた株も開花したのである。さらには、先に述べた 2007年インドで開花したメロカンナも、前回の開花の際に日本に持ってこられた種子から育った個体が水俣や白浜などでほぼ時を同じくして開花したことが観察された。これらの例は、いずれも遠く離れ全く異なった環境下に生育していた同齢個体が同時に開花したものであり、タケササ類の開花が気象条件等の環境条件によるものではなく、遺伝的特性により規定されていることを強く示唆するデータであろう。
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