2017年7月5日水曜日

人面ガニが侵入 ― 和歌山県すさみ町


7月1日(6月30日?)、甲羅の模様が微笑んでいる人の顔に見えるアカテガニの稚ガニが、和歌山県すさみ町の「エビとカニの水族館」(地図)で見つかりました。水族館に偶然入ってきたとみられています。「目や鼻に見える黒い線は偶然できる模様」:

甲羅が人の顔に見えるといえばヘイケガニ写真)が有名ですが、こちらは憤怒の表情で、その伝説と相まってちょっと怖い感じがします。

今回の件は1匹ということでたまたまでしょうが、関東大震災(1923年9月1日)の前にはカニの集団の異常行動が各地で見られたようです。以下は、力武常次著『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(東京大学出版会、1986年)からの抜粋です:
  • 神奈川県横浜市、1年前 ―― 大震災の1年位前から押入といわず、縁の下といわずカニがどこでも入りこんできて(以下略)

  • 千葉県新田町、4月 ―― 小ガニが海岸線から100m陸上まで這い上がってきた。その数、数十匹で30分位であった。

  • 神奈川県逗子市、1週間前 ―― 8月下旬逗子海岸で浜に住んでいるカニが西方の山に向かって、上がっていきました。毎夕何万という程足の踏み場もない程でした。

  • 東京都文京区白山、2日前 ―― 8月30日避暑地より赤い小さなカニを持ち帰って庭においておいたが、夜床下に逃げてしまった。31日は一匹も見えなかったが、9月1日の朝一斉に庭に出てきた。

  • 神奈川県横浜市鶴見区、1~2日前 ―― 海岸では地震の前々日から前日にかけてカニが陸に向ってぞろぞろ這っており拾うのに忙しいくらいで短時間に大ビクに入りきらぬ程捕った。

  • 千葉県津田沼、1日前 ―― 海岸より4km北へ、小さいカニが北上した。

  • 神奈川県横須賀市、12~15時間前 ―― 防波堤には無数のカニがはい上がって釣り人達の足の踏み場もなかった。一時間に四~五百匹のカニが捕れたと報告されている。

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