チェコ大学の研究チームが野生のイノシシとイボイノシシを調査した結果、体を南北方向に向ける傾向が強いことが判明、体内の磁気コンパス(体内磁石)が寄与しているとのことです:
- Warthogs, Wild Boars May Have Internal Magnetic Compass
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記事をまとめます:
- チェコ共和国内の31ヶ所で野生のイノシシを、アフリカの33ヶ所でイボイノシシを観察。
- これらの動物には、南北方向の軸からわずかに東にそれた方向に体の軸を合わせるという非常に顕著な傾向がある。
- この傾向は、1日の中の時間帯、季節、気象条件に大きく影響されることはない。
- 餌を探したり休んだりしている1614頭の野生のイノシシ、1849の野生のイノシシの寝床、1347頭のイボイノシシの軸を測定し、非常に顕著な南北方向への指向を見いだした。
- 観察結果のすべてについての共通項は地球の磁場である。
- イノシシ科(ブタやイノシシなどを含む偶蹄目のほ乳類)における磁気感覚を示唆する最初のデータである。
- 今回の非常に興味深い発見は、これまでに積み上げられてきたほ乳類が磁気感覚を持つという証拠を補強することになる。
- 新たに浮上した疑問は、イノシシやイボイノシシがどのようにして磁場を感じ取っているのか、移動などの際に実際に磁場に対する感覚を使っているのか、という点である。
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