2月17日に開催された第134回火山噴火予知連絡会の席上で使われた資料には、あまり報道されていない情報も載っています:
- 第134回火山噴火予知連絡会資料(その2の6) (PDF形式、47MB、126ページ)
23ページ目からの「雌阿寒岳(地図)における地磁気全磁力変化」(気象庁磁気観測所)には次のように書かれています:
96-1火口南側で実施している全磁力連続観測によると、全磁力は2014年3月以降は概ね横ばいで推移していたが、2015年3月中旬以降は減少傾向を示しており、2016年1月中旬以降は火口に近い観測点ほど減少傾向がやや大きくなっている。この結果から、96-1火口南側の地下では2015年3月中旬以降は温度が上昇しており、2016年1月中旬以降はこれまでより熱消磁源が北側にやや拡大している可能性がある。
全磁力観測の原理については以下を参照してください:
- 防災メモ【全磁力観測】 (PDF形式、1ページ)
26ページからの「雌阿寒岳・雄阿寒岳」(国土地理院)には次のように書かれています:
「阿寒2」では、2015年6月頃からわずかな北西向きの変動が見られています。
「阿寒2」は阿寒湖のほとりにある観測点で、雌阿寒岳の北東、雄阿寒岳の西南西に位置しています。
さらに28ページに掲載されている「雌阿寒岳・雄阿寒岳周辺の地殻変動(水平:1年)」の地図を見ると、雌阿寒岳の東麓あたりを中心に各観測点が放射状に遠ざかる動きをしていることがわかります。この地図で見ると「阿寒2」の動きは、北西方向に年間2cmを上まわっています。
29ページからの「雌阿寒岳のSAR干渉解析結果について」(国土地理院)でも上記の動きは裏付けられます:
雌阿寒岳山頂から東南東約3kmの地点(白水沢ボッケ)では衛星に近づく変動が見られる。
この時の衛星(ALOS-2)は雌阿寒岳の東側上空を通過しており、「衛星に近づく変動」は、上記「雌阿寒岳・雄阿寒岳周辺の地殻変動(水平:1年)」と同じ傾向を示していることになると考えられます。
SAR干渉については以下の説明を参照してください:
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