NASAのサイトに2月21日付で掲載された記事です。2000年3月から2010年2月にかけて、地球全体の雲頂高度の平均値が1%低下したという内容です:
- NASA Satellite Finds Earth's Clouds are Getting Lower (地球の雲の高さが低くなっていることをNASAの人工衛星が発見)
1%は30mないし40mに相当。平均高度の低下は、高度の高いところに雲が発生しにくくなっていることが主要な要因。研究チームのリーダーは〝something quite important might be going on〟(何か大変重要なことが進行しているのかも知れない)と語っています。
このまま雲の高度が下がり続けると、地球から宇宙空間への熱の発散が効率よく行われるようになり、地表の温度が下がって地球温暖化の進行を遅らせる可能性がある。この現象は地球温暖化を妨げる方向に作用するが、地球温暖化自身がもたらしたネガティブ・フィードバック(負帰還)のメカニズムであるのかも知れない。「雲の高度が低下する原因が何であるのかはっきりとはわからないが、雲の発生高度を押し上げる大気の循環パターンに変化が生じているためと考えられる」と研究チームのリーダー Roger Davies は語っている。
関連記事
- アスペラトゥス雲 ― 新種の雲? (09年6月5日)
- モーニング・グローリー (09年8月29日)
- 空の津波 (09年9月30日)
- モスクワ上空の異様な雲 (09年10月12日)
- ルーマニア上空の異様な雲 (09年10月27日)
- アッサム地方の「地震雲」 (10年1月9日)
- アッサム地方の「地震雲」(補足) (10年1月10日)
- 雲と衝撃波 (10年2月19日)
- 太陽活動が弱まる兆候 ― 寒冷期がやってくる (10年3月25日)
- 温暖化でアイスランドの火山が活発化 (10年4月19日)
- 「人工雲」計画にビル・ゲイツ氏が出資 (10年5月11日)
- UFO? 核実験? (10年6月23日)
- 日暈は大地震の前兆だったのか ― インドネシア (10年10月26日)
- ハリケーン・アイリーンの脇に …… (11年8月28日)
- 一瞬で形を変える雲 (11年10月26日)
- 雲のリング (11年11月30日)