2012年1月7日土曜日

太陽系外惑星からの電波信号を検出 !?


新年早々ビッグ・ニュースが飛び込んできたと思ったのですが ・・・ たった1日で夢は打ち砕かれてしまいました。

NASAが打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡は、これまでに1000を超える数の太陽系外惑星を発見しています。そのうちの2つの惑星から、自然のものではない可能性がある電波を受信したと受け取れる内容の発表を、カリフォルニア大学バークレー校のSETI(地球外知的生命他探査)研究チームが1月5日におこないました。惑星の名前は〝KOI 812〟と〝KOI 817〟(KOI は〝Kepler Object of Interest〟の略):

しかし、1月6日になって研究チームは発表を修正し、謝罪しています:

上記発表の冒頭は次のとおりです:
After posting the plots below on January 5, it became clear that we had not stated as definitively and absolutely as possible that these signals are interference. We have update the post to make this clear. Sorry for any confusion. 
1月5日に(受信した電波信号の性質を示す)グラフを掲載した後、それらの信号が(地球由来の電波の)混信であるということを、私たちが可能な限り断定的かつ確実に述べていなかったことが明らかになりました。私たちはこの点を明確にするために掲載内容を更新しました。混乱を起こしたことをお詫びいたします。

陰謀説好きの人たちは、アメリカ政府が圧力をかけて発表を取り消させたと言うかも知れません(grin)。

発表に含まれているグラフ(123)の見方を説明します。いずれのグラフも横軸が電波の周波数(MHz)、縦軸が時間(秒)です。線の色が明るい(白い、黄色い)ほど電波のエネルギーが強く、暗い(赤い、黒い)ほど弱いことを示しています。グラフの幅が狭いほど、電波が特定の周波数に集中しており、人工的な電波である可能性が高いということになります。自然現象で発生する電波は、通常、広い周波数帯に広がっています。

3番目のグラフを例にとると、グラフの線が傾斜しています。これは時間の経過(グラフの上から下へ)にともなって周波数が徐々に高くなっていることを示しています。これはドップラー効果によるもので、電波の発信源が受信装置に対して動いていることを示しています。地上の電波源を地上のアンテナで受信した場合には、両者の距離が変化しないため、このような周波数の変化は起こりません。つまり、このグラフは、電波の発信源が太陽系外惑星のように動いており、かつ電波が自然現象ではみられないほど特定の周波数に集中していることを示しており、地球外文明が発信している電波である可能性があるというわけです。

研究チームが電波望遠鏡の方向をずらしても同様の電波が受信されたことから、現時点では、今回の電波は人工衛星からのものであると考えられています。研究チームでは、今後数週間にわたって、すでに蓄積されている50テラ・バイトの観測データの分析を続け、発表していくとしています。


関連記事