1月5日、インドネシアの PVMBG(Centre of Vulcanology and Geological Hazard Mitigation、火山学・地質災害軽減センター)が発表したところによると、同国に127ある活火山のうち7つが警戒レベル3の状態にあり、噴火が切迫しているとのことです:
- Seven Indonesian Volcanoes In Level III Alert Status (BERNAMA)
- Seven Indonesian volcanoes in Level III alert status (BorneoPost)
7つの火山とは以下のとおりです:
- Papandayan (West Java province)
- Lokon (North Sulawesi province)
- Karangetan (North Sulawesi province)
- Kawah Ijen (East Java province)
- Anak Krakatau (border of Banten and Lampung provinces)
- Gamalama (North Maluku province)
- Lewotolo (East Nusa Tenggara province)
インドネシアの警戒レベルは4段階で、最高が4(噴火中、あるいは、いつでも噴火が発生しうる状態)です。
PVMBGが特に危険視しているのは Kawah Ijen、Gamalama、Lewotolo の3山です。とりわけ危険度が高いのは Kawah Ijen 山(地図、カルデラ地図)で、国の防災当局のトップは次のように語っています:
Kawah Ijen 山が危険なのは、熱雲や高温の物質が撒き散らされたり、火山灰が降ったりするからではない。カルデラ湖に蓄えられた3000万立方メートルにおよぶ致死的レベルの酸性の水が危険なのだ。何度警告しても周辺住民が避難を拒否していることに失望している。
インドネシアでは常にいくつかの火山が噴火しています。新たな噴火を始める火山もあり、同国の火山活動をタイムリーに把握し続けるのは困難です。PVMBGのウェブサイトに警戒レベルのリストが掲載されているのですが、インドネシア語が使われているので使いづらい面があります。以下は私が頼りにしているサイトです。英語表記で火山の警戒レベルが一覧できるので助かっています。一覧表中の火山の名前をクリックすると、その火山の位置を示す地図と、過去の警戒レベルの変遷を示すリストが表示されます:
火山の名前はアルファベット順になっていますが、報道によっては火山名の綴りが異なっていたり、火山全体の名前と各火口の名前を使い分けている場合(日本の火山で言えば、霧島山と新燃岳の関係)もあるので、注意が必要です。〝Anak Krakatau〟は〝Krakatau〟、〝Kawah Ijen〟は〝Ijen〟として載っています。
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