2010年11月9日火曜日

カール・セーガン・デー 2010

今日、11月 9日はカール・セーガン・デーです。故セーガン博士の誕生日にちなむものですが、主な行事は参加者の都合を考えて直近の土曜日(今年は 11月 6日)に行われます。詳しいことは昨年の同じ日にこのブログに書いた 「カール・セーガン・デー」 を参照してください。

以下は、カール・セーガン・デーにちなむ記事です:

NASA のケプラー探査機(地球型太陽系外惑星を発見するための宇宙望遠鏡)のプロジェクト・チームと SETI 研究所が共同で、カール・セーガン博士にちなむエッセーを募集していましたが、その受賞作が今日発表されました:

上記のサイトに引用されているセーガン博士の言葉は印象的です。原文の雰囲気を壊しては申し訳ないので、翻訳はしません。我々が住む地球の表面を、宇宙という大海原に接する波打ち際にたとえています:
The surface of the Earth is the shore of the cosmic ocean. On this shore, we've learned most of what we know. Recently, we've waded a little way out, maybe ankle-deep, and the water seems inviting. Some part of our being knows this is where we came from. We long to return, and we can, because the cosmos is also within us. We're made of star stuff. We are a way for the cosmos to know itself.

セーガン博士の言葉は、トンデモ説や疑似科学的な主張に反駁する際にも引用されます。特に、“Extraordinary claims require extraordinary evidence.”(途方もない主張には、(それに応じた)途方もない証拠が必要である)(注1)というフレーズはしばしば目にします。以下はその例です。微妙に語彙が違っていますが、「Ctrl+F」キーを使って“Sagan”という文字列をページ内検索すると該当箇所がすぐに見つかります:

以下は、ワシントン・ポスト紙のブログに掲載された UFO関連記事です。読者が、肯定・否定などさまざまな立場のコメントを描き込んでいますが、その中にもセーガン博士の著書を読むように促すコメントがあります:

以下は、読者のコメントとその訳です:
Please read The Demon Haunted World by Carl Sagan before you go running around claiming that aliens are visiting our planet and/or the government is covering it up. I really miss scientific thinking and rational discourse in our society!

エーリアンが我々の惑星を訪れているとか、政府がその事実を隠蔽しているなどと吹聴してまわる前に、どうか、カール・セーガンの “The Demon Haunted World”(注2)をお読みになってください。科学的思考や理性的な話し合いが私たちの社会から失われていることが残念です。

(注1) このフレーズはセーガン博士の完全オリジナルというわけではありません。ウィキペディアの “Marcello Truzzi” についての解説によると、18世紀の哲学者デイヴィッド・ヒュームや数学者ピエール=シモン・ラプラスにまで遡るようです:
  • Sagan: Extraordinary claims require extraordinary evidence.
  • Truzzi: Extraordinary claims require extraordinary proof.
  • Laplace: The weight of evidence for an extraordinary claim must be proportioned to its strangeness.
  • Hume: A wise man, therefore, proportions his belief to the evidence.

(注2) 邦訳は、『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』(新潮社)、『悪霊にさいなまれる世界 ― 「知の闇を照らす灯」としての科学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 。


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