2013年5月9日木曜日

ブラジル沖に「大陸」の痕跡 (続報-2)


5月7日付「ブラジル沖に「大陸」の痕跡 (続報)」の続報です。

大陸の痕跡(花崗岩の崖)が見つかったとされるリオ・グランデ海膨(Rio Grande Rise、地図)の成因には、2つの説があるようです。以下は、今回、実際に「しんかい6500」で同海膨に潜り、花崗岩の崖を発見した北里洋氏の解説です:

1つ目の説は、大陸のかけら説。「中生代に南アメリカとアフリカが割れて大西洋を作りながら拡大した時のパンゲア大陸のかけらである」とするもので、テレビ番組に登場する専門家は、私が視聴した範囲では、皆この説に立って解説していました。

もう一つの説はホットスポット説。「ホットスポットで作られた島は、大西洋の拡大に伴って移動し、アフリカ側にはウォルビス海嶺(地図)が作られてゆきます。大西洋中央海嶺を挟んで南アメリカ側の対象的(sic、「対称的」?)な位置にリオグランデ海膨がありますので、この海膨もホットスポットでできた」とするもので、「実際、海洋地殻の特徴を示す玄武岩が採れています」とのこと。

上掲の記事は、北里氏がリオ・グランデ海膨に潜航する前に海洋研究開発機構のサイトに掲載されたものですが、北里氏は「もしも花崗岩がリオグランデ海膨に由来することになると、リオグランデ海膨は、中生代に南アメリカとアフリカが割れて大西洋を作りながら拡大した時のパンゲア大陸のかけらであるということになります」と書いています。今回の発見で大陸のかけら説の信憑性が高くなったということでしょうか。


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首都圏直下地震の確率


首都圏直下型地震の発生確率に関して、2つの試算が報道されています。

1つ目は東北大学の試算で、マグニチュード7以上の首都直下地震が発生する確率は5年以内に17%:

2つ目は防災科学技術研究所の試算で、マグニチュード7級の首都圏直下地震の発生確率は地域によって差があり、「全体の平均値と比べて、茨城県南部は平均で約1・5倍、神奈川県西部は同約1・4倍高かった」:

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クジラ2頭が漂着 ― 静岡県御前崎市


5月8日、静岡県御前崎市(地図)の海岸に、2頭のクジラが打ち上げられているのが見つかりました。コマッコウか、オガワコマッコウと推定されています。体長3.5mと2m。前者はすでに死亡しており、後者は衰弱している状態だったとのことです(その後、死亡が確認されました):

静岡県、愛知県、三重県にかけての海岸では、クジラやイルカの漂着や迷い込みなどが相次いでいますが、以下は昨年以降に静岡県で起きた類似事例です:

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2013年5月8日水曜日

「UAEの原発は韓国級の地震に耐えられる」


アラブ首長国連邦(UAE、地図)では、韓国から原子力発電所を導入しようとしていますが、同国の連邦原子力規制局(FANR)長官の発言をみるといささか心配になります:

以下は、FANRの長官である William Travers 博士(上掲記事の写真で左側の人物)の公開討論会での発言です:
The UAE’s nuclear facilities are designed to withstand the frequency and gravity of Korea’s quakes ― of a much graver and of a much larger magnitude than those occurring here in the Gulf region, nuclear energy experts have assured. 
UAEの原子力施設は、韓国の地震の頻度と規模に耐えられるように設計されています ― 韓国の地震はペルシャ湾岸地域で発生する地震と比べるとはるかに深刻でマグニチュードも大きいのです、と原子力エネルギーの専門家は保証した。

「ご冗談でしょう、Travers博士」と突っ込みを入れたくなりますが、この発言から、韓国側がどのようなセールス・トークを使ったか想像がつきます。韓国側は、自国が日本に匹敵するぐらいの地震多発国であるとアピールしたのでしょう。実際のところはどうでしょうか。以下の資料の表1や、韓国気象庁の Earthquake Trends をご覧ください:

韓国は、原子力発電所を建設するようになって以降、一度も強い地震を経験していません。一方のペルシャ湾岸では、イランを筆頭にマグニチュード7クラスの地震がかなり起きています:

FANRの長官は、〝The earthquake resistance of the UAE’s nuclear plants is 0.3g [a measure of peak ground acceleration]〟(UAEの原子力発電所は表面最大加速度で 0.3g まで耐えられる)とも述べています。1960年のチリ地震(M9.5)で観測された最大加速度が 0.25~0.3g なので、韓国側は「史上最大のチリ地震の加速度にも耐えられますよ」と売り込み、おそらく UAE側も「それなら大丈夫だろう」と鵜呑みにしたのでしょう。

しかし、イラン・ザランド地震(2005年)の最大加速度が 0.51g、阪神淡路大震災(1995年)が 0.8g、新潟県中越沖地震(2007年)が 1.01g、カンタベリー地震(2011年2月、ニュージーランド)が 2.2g、東北地方太平洋沖地震(2011年)にいたっては 2.99g であることを考えると、0.3g で大丈夫なのかなと心配になります:

さらに、0.3g という設定の当否はさておいたとしても、本当に 0.3g に耐えられるのかも疑問です。韓国の企業連合による落札額は日米の入札額の半分以下です。ダンピングが疑われるほどの低価格で受注したことによる手抜き工事の心配があります。また、韓国企業の商道徳にも疑問符がつきます。0.3g という数字は信用してよいのでしょうか。おりしも、韓国の代表的な自動車メーカーである現代自動車と起亜自動車が、燃費性能の数字を 1リットルあたり約2.6kmも水増ししていたことが米国で発覚しています。

UAEの海岸沿いに建設される原子力発電所で事故が起こり汚染が広がった場合、日本の石油輸入にも甚大な影響がでることは必至です。


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「最近地震が多い」は錯覚 (続報)


5月1日付「『最近地震が多い』は錯覚」の続報です。

「『妙に多い』と頭をよぎるのは専門家も同じ」、「何かを示しているのかは分からない」、「たまたま最近地震がなかった場所で、2~3回重なったことで強く印象に残っている」、「前兆があろうがなかろうが、巨大地震は起きるもの」:

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「誤報」続きの地震予知犬


中国・江西省南昌市(地図)の地震防災局で飼っていた地震予知犬が毎晩吠えて、近隣住民から苦情がでたために郊外の施設に移されたというニュースです:

上掲記事のうち、〝Times LIVE〟は次のように締めくくっています:
While stories of animals acting erratically before an earthquake are common after the fact, in 2011 the ICEF found that "there is no credible scientific evidence that animals display behaviours indicative of earthquake-related environmental disturbances that are unobservable by the physical and chemical sensor systems available to earthquake scientists." 
地震の前に動物が異常な振る舞いをするという話は広く知られているものの、2011年にICEF(International ComMittee for Earthquake forecast : 地震予測に関する国際委員会)は次のような結論を出している ―― 「地震科学者が利用できる物理的、および化学的センサー・システムによっても観測できないような、地震に関連する環境の変化を示す行動を動物がするということには、信頼するに足る科学的証拠がない」

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2013年5月7日火曜日

ブラジル沖に「大陸」の痕跡 (続報)


5月7日付「ブラジル沖に『大陸」の痕跡』の続報です。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が5月7日付で出したプレスリリースです:

上記プレスリリースには、いつ、どこで、どういう調査を実施したかという事実関係のみが書かれており、「大陸のような大きな陸地があった痕跡が見つかった」などとは一言も触れられていません。調査の成果については、「本航海に関する研究成果については、論文等にまとまった段階で公表します」とあるのみです。

どうやら、ブラジル側の研究機関と海洋研究開発機構の現地調査チームが、ブラジルでおこなった記者会見がニュースの出所であるようです。現地調査チームの意気揚々とした発表と、国内の海洋研究開発機構の木で鼻を括ったようなプレスリリースとの落差は何に由来するのでしょうか。現地調査チームの勇み足だったのでしょうか:

報道記事を見ていると、「映像を分析したところ、岩は、陸上でしかできない花こう岩だったことが分かった」、「現場の海底では今後、ブラジルの研究機関が、実際に花こう岩を採取して、詳細な分析を行うことを検討している」(NHK)とあり、海底の崖が花崗岩でできていると直接確認されたわけではないことがわかります。また、「ブラジル政府は、『伝説のアトランティス大陸のような陸地が存在した極めて強い証拠』としています」(テレビ朝日)とあり、経済水域の設定などが絡む政治的な思惑も見え隠れします。3月に東京大学地震研究所が大失態を演じた立川断層の誤認問題のときのように、「見たいものが見えてしまった」ということでなければよいのですが:

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科学と技術の知識に関する小テスト


米国の Pew Research Center とスミソニアンが共同で実施している「科学と技術の知識に関する小テストです。〝Do you know more about science and technology than the average American?〟(あなたは科学と技術に関して平均的なアメリカ人よりもよく知っているでしょうか?):

全部で13問。それに加えて、性別、年齢などを問う3問が末尾にあります。全てに回答し終わると、正答数や上位何%の集団に入ったかのグラフなどが表示されます。

英語がネックになるといけませんので、質問と回答の選択肢を翻訳して以下に掲げます:

【1】 全ての放射能は人間が作り出したものである。この文は ・・・
  • 正しい
  • 間違い

【2】 電子は原子より小さい。この文は ・・・
  • 正しい
  • 間違い

【3】 レーザーは音波を集中させることによって動作する。この文は ・・・
  • 正しい
  • 間違い

【4】 私たちが暮らしている大陸は過去何百万年にもわたって移動し続けているし、将来も移動し続ける。この文は ・・・
  • 正しい
  • 間違い

【5】 日焼け止め剤は、太陽から放射される何から肌を守ってくれるのですか?
  • エックス線
  • 赤外線
  • 紫外線
  • マイクロ波

【6】 ナノテクノロジーが対象にするのは非常に○○な物である ・・・
  • 小さい
  • 大きい
  • 冷たい
  • 熱い

【7】 地球の大気の大半を占める気体はどれですか?
  • 水素
  • 窒素
  • 二酸化炭素
  • 酸素

【8】 赤血球の主要な機能は何ですか?
  • 体内の病気と戦う
  • 体の全ての部分に酸素を運ぶ
  • 血液が凝固するのを助ける

【9】 抗生物質を使いすぎた場合に懸念されることはどれですか?
  • 耐性菌を生みだすこと
  • 抗生物質は非常に高価であること
  • 抗生物質中毒になること

【10】 化学反応の例はどれですか?
  • 水が沸騰する
  • 砂糖が溶ける
  • 釘が錆びる

【11】 新薬が病気に効果があることを確かめるのによりよい方法はどれですか? 研究対象の病気にかかっている志願者が1000人いた場合 ・・・
  • 薬を全員に与え、何人の症状が改善するかを見る
  • 半数に薬を与え、残りの半数には与えない。何人の症状が改善するかを2つのグループで比較する

【12】 大気の温度を上昇させると科学者が考えている気体は何ですか?
  • 二酸化炭素
  • 水素
  • ヘリウム
  • ラドン

【13】 「フラッキング」(水圧破砕法)とよばれる方法で採掘される天然資源はどれですか?
  • 石炭
  • ダイヤモンド
  • 天然ガス
  • シリコン

いかがでしょうか。日本の高校生でしたらほぼ全問正解できるのではないでしょうか。

正答率が50%を下回ったのは、空気の主成分を問う【7】(正答率 20%)、電子と原子の大小を問う【2】(同 47%)、レーザーの動作原理を問う【3】(同 48%)です。

ほとんどの質問で、男性の正答率が女性を上まわっているのですが、【9】の抗生物質に関する質問と【11】の新薬のテスト方法に関する質問だけは女性の正答率が上まわっています。


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受動的拡大説に軍配 ― 中央海嶺の構造


中央海嶺で生まれたプレートが広がっていく原動力は何か? 大きく分けて2つの説がありました:
海嶺では、まず側方への伸張があって隙間ができ、それを埋めるために下からアセノスフェアが上昇してくる(これを受動的拡大という)のか、それともアセノスフェアの側方への対流によってリソスフェアが引きずられる結果、拡大する(これを能動的拡大という)のかは、プレートテクトニクスの原動力の問題に関わる大きな問題であり、議論が続いている。 [木村学『プレート収束帯のテクトニクス学』、2002、東京大学出版会]

中央海嶺の地下がどのような構造になっているのか、これまでは地震波や音波、重力異常をつかった方法しかなく詳細にはわかっていませんでした。スクリップス海洋研究所の研究者は、電磁気を使って地下の構造を調べる方法を開発、それを利用して東太平洋海膨(East Pacific Rise)にある中央海嶺(太平洋プレートとココス・プレートの境界)の地下構造を描き出すことに成功し発表しました:

Credit: Kerry Key, Scripps Institution of Oceanography
(クリックで拡大)

以下は、上記〝Discovery News〟の記事の抄訳です:
(研究チームのリーダーである Kerry)Key氏は、東太平洋海膨の地下に対称的で幅の狭いメルト・ゾーン(溶融域)を発見した。これは、拡大するプレートによって作られた隙間をマントルが単に満たしているだけだということを示している、と彼は語る。もし、上昇してくるマントルがプレートを(拡大する方向に)押しているのだとしたら、局所的な対流の証拠、たとえばもっと幅広い非対称なメルト・ゾーンがあると思われる。 
この研究結果は、中央海嶺の動きについての有力な仮説のうちの一つである受動的拡大モデル(passive flow model)を支持している、と研究チームは語っている。地球の地殻は巨大なコンベヤー・ベルトに似ており、プレートは中央海嶺から広がり、沈み込み帯でマントルの中に沈みこんでリサイクルされる、とKey氏は説明する。プレートはマントル内の巨大な対流セルに乗っているが、中央海嶺はそれらの大規模な渦巻きと連関していない。その代わりに、海嶺での局所的溶融は移動するテクトニック・プレートによって作り出される隙間によって発生する、と地質学者たちは考えている。しかし、プレートを移動させる原動力が沈み込み帯で生じる「引き」(受動的拡大モデル)なのか、海嶺に上昇してくるマグマによる「押し」なのかについては論争が続いている。 
「私たちの得たデータは、受動的拡大モデルのように見えます」とKey氏は『OurAmazingPlanet』に語っている。「私たちのデータは、こういうことが起こっているはずだと誰しもが考えるものと合致していますが、これまでは私たちの手元にはよい画像がなかったのです。今回得られた画像は、こんなことが起きているはずだという考えにもとづいて誰かが教科書用に描いた図のように見えます。」

研究結果を紹介する記事の常として、別の研究者の考えも紹介しています。ブラウン大学の地球物理学者 Don Forsyth氏は、今回の研究を高く評価した上で次のような指摘をしています:
しかしながら、Forsyth氏は、(海嶺の周辺に)マントル対流がないことを確認するために、南北の海嶺軸に沿った追加の調査が必要だとしている。「彼らは(マントルが)受動的に湧昇してくることを示す強力な証拠を手に入れたが、(海嶺の地下に見られる)対称性だけでは、必ずしも受動性を証明することにはならない」と『OurAmazingPlanet』に語った。

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ブラジル沖に「大陸」の痕跡


有人潜水調査船「しんかい6500」による調査で、「ブラジル・リオデジャネイロ沖の大西洋にある海底台地(地図)で、陸地でしか組成されない花こう岩が大量に見つかり、かつて大西洋上に大陸があったことが判明した」、「1億年以上前に南米大陸とアフリカ大陸が分裂した際に残った大陸の一部とみられる」、「周辺の海底で見つかった化石などから約5千万年前には海上に出ていたが、波などで土砂が削られたり岩盤が海水で冷えて重くなったりして、数百万年後には海に沈んだと推定される」とのことです:

以下は海洋研究開発機構(JAMSTEC)の資料です:

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