2013年5月7日火曜日

ブラジル沖に「大陸」の痕跡 (続報)


5月7日付「ブラジル沖に『大陸」の痕跡』の続報です。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が5月7日付で出したプレスリリースです:

上記プレスリリースには、いつ、どこで、どういう調査を実施したかという事実関係のみが書かれており、「大陸のような大きな陸地があった痕跡が見つかった」などとは一言も触れられていません。調査の成果については、「本航海に関する研究成果については、論文等にまとまった段階で公表します」とあるのみです。

どうやら、ブラジル側の研究機関と海洋研究開発機構の現地調査チームが、ブラジルでおこなった記者会見がニュースの出所であるようです。現地調査チームの意気揚々とした発表と、国内の海洋研究開発機構の木で鼻を括ったようなプレスリリースとの落差は何に由来するのでしょうか。現地調査チームの勇み足だったのでしょうか:

報道記事を見ていると、「映像を分析したところ、岩は、陸上でしかできない花こう岩だったことが分かった」、「現場の海底では今後、ブラジルの研究機関が、実際に花こう岩を採取して、詳細な分析を行うことを検討している」(NHK)とあり、海底の崖が花崗岩でできていると直接確認されたわけではないことがわかります。また、「ブラジル政府は、『伝説のアトランティス大陸のような陸地が存在した極めて強い証拠』としています」(テレビ朝日)とあり、経済水域の設定などが絡む政治的な思惑も見え隠れします。3月に東京大学地震研究所が大失態を演じた立川断層の誤認問題のときのように、「見たいものが見えてしまった」ということでなければよいのですが:

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