2024年10月21日月曜日

イースター島のジルコンがプレート・テクトニクスに疑問符

 
イースター島の火山性ジルコンを研究している地質学者が、予想外に古い 1億6500万年前のサンプルを発見。この発見は、長年信じられてきた「ベルト・コンベア」理論に疑問を投げかけるもので、マントルは考えられていたよりも静止しており、古代の物質を保存している可能性があることを示している:

記事の概略は以下のとおりです ——

ジルコンの年代測定とは: マグマが冷えると、含まれているジルコンは結晶化する。ジルコンには少量のウランが含まれており、放射性崩壊によって徐々に鉛に変化する。その変化の速さがわかっているので、残っているウランと鉛の比率から、それらのジルコンがどのくらい前に形成されたかを測定できる。

イースター島は、いくつかの死火山から成り立っている。最も古い溶岩堆積物は、火山自体よりもそれほど古くない海洋プレートの上に約 250万年前に形成された。

地質学者たちはイースター島で数百個のジルコンを採集した。驚くべきことに、250万年前のものだけでなく、さらに古い 1億6500万年前のものも発見された。どうしてこのようなことが起こり得るのだろうか?

化学分析により、ジルコンの組成はすべてのケースでほぼ同じであることが判明した。したがって、それらはすべて、今日の火山と同じ組成のマグマから生じたと考えられる。

しかし、それらの火山が 1億6500万年も活動していたはずはない。なぜなら、それらの下にあるプレートはそれほど古くないから。そうなると、ジルコンは今日の火山が形成されるずっと前に、プレート下のマントル内にある火山活動の源で発生したということになる。

イースター島の火山は、ハワイ諸島と同様の「ホットスポット火山」である。これらは、地球の深部のマントルからゆっくりと上昇するマントル・プルームから形成される。

マントル・プルームがプレートの底に近づくと、プルームの岩と周囲のマントルの岩が溶けて火山を形成する。プレートがマントル・プルームの上を移動する間、マントル・プルームは非常に長い間その場所に留まる。プレートが少し移動するたびに、マントル・プルームは新しい火山を生み出す。

地質学者たちは、イースター島の下のマントル・プルームが 1億6500 万年もの間活動していたという証拠を発見したのだろうか?
 
現在のイースター島の場所の 1億6500万年前の復元図からは、当時の地形が 1億1000万年前に南極半島の下に沈み込んでしまったことが判明した。そして、イースター島の下のマントル・プルームが、少なくとも当時から活動していた可能性があることを示している。古い時期のジルコンは古い時期のマグマの残滓で、火山噴火にともなって、より若いマグマとともに地球の深部から地表に運ばれたと考えられる。
 
古典的なベルト・コンベア理論は、マントル・プルームは定位置に留まり、周囲のすべてのものが動き続けるという観察事実とすでに矛盾をきたしていた。
 
矛盾を避けるため、プルームが非常に速く上昇するため、プレートとともに移動するマントルの影響を受けない、という説明がある。新しいプルームの物質がプレートの下に絶えず供給され、新しい火山を形成しているのだという。
 
しかし、その場合、古いプルームの断片は、古いジルコンとともに、マントルの流れによってイースター島の位置から運び去られ、現在地表にあるはずがない。プルームを取り囲むマントルが基本的にプルーム自体と同じくらい静止している場合にのみ、それらの古代の鉱物が保存された可能性があるという結論になる。
 
イースター島での古代の鉱物の発見は、地球のマントルがこれまで想定されていたよりも根本的に異なる動作をし、はるかにゆっくりと移動していることを示唆している。

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