久しぶりに QuakeFinder の名前が登場です。資金難のためか、現在は独立した QuakeFinder社ではなく、「システム・エンジニアリング・サービス会社 Stellar Solutions の人道的研究プロジェクト」 となっているようですが。
その QuakeFinder が Google Accelerated Science チームと共同でおこなった研究結果が、米国地球物理学連合(AGU)の "Journal of Geophysical Research: Solid Earth" に掲載されました:
以下は "Plain Language Summary" のテキトー訳です ——
カリフォルニア州で発生した中規模および大規模地震(M ≥ 4.5)の震源付近では、地震発生前の数日間に磁場が変化していることを確認した。統計的なシグナルは控えめな大きさであり、国民に注意を促すような予測をただちに提供することはできない。本研究は、地震発生前の数日間に観測可能な物理的変化があることを示す証拠となるが、この変化が生じる過程を理解するためには、さらなる科学的研究が必要である。
次は "ScienceAlert" の記事です:
- California Quakes Mysteriously Preceded by Shifts in Earth's Magnetic Field (カリフォルニア州の地震には不思議だが地球磁場の変化が先行する)
以下は上掲記事の一部をテキトー訳したものです ——
QuakeFinder のディレクターである Dan Schneider は、Eos の Joshua Rapp Learn に、「我々は、この(電磁気的)信号が全ての地震の前に存在すると主張しているわけではありません」と語っている。
しかし、この発見は、大きな揺れの電磁気的予兆という論争の的となるテーマを、もう少し長く存続させるのに十分なものだろう。
地震の前に磁場が変動するという仮説の根拠は、十分に合理的に聞こえる。地震の前に 地殻に大きな圧力がかかると、理論的には岩石の電気伝導度に影響を与えるほど岩石層の性質が変化する可能性があるという見解もある。
地震前には、岩盤中にガスを閉じ込めた空隙が増加し、それが放出されるときに電流が発生して磁気活動に影響を及ぼすことを示唆する研究もある。
いずれにせよ、その結果として現れる超低周波の磁場の変化を見つけることができれば、何か大変なことが起きそうだという警告を当局に与え、勢力を強めるハリケーンに備えるのと同じように、地域社会に準備をする時間を与えることができるだろう。
しかし、残念なことに、有望と思われるこのアイデアは、応用する上で多くの障害に直面する。
ひとつには、磁場に局所的な低周波のゆらぎを発生させる原因がたくさんあることだ。近隣の交通量の増加や太陽活動のわずかな変化でさえも、地質学的な擾乱と見紛うような変動を引き起こすことがある。
このようなノイズから信頼性の高い信号を抽出するには、大きな地震の震源近くの固定した場所に精確な測定機器を設置しておく必要がある。また、そのような場所であっても、統計的なサンプルとして、適切な規模の地震を十分な回数記録する必要がある。
カリフォルニア州全域の断層近くにいくつもの研究拠点がある QuakeFinder は、これらのハードルを克服するには絶好の条件を備えている。
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