台湾紙『Taipei Times』の記事です。人工知能モデルで過去30日間の電離層全電子数データを分析することによって、M6 以上の地震を 1日前に予知することが可能になったとのことです:
- AI model could predict earthquakes (AI モデルで地震予知が可能に)
以下は記事からの抜粋・テキトー訳です ——
中央研究院(Academia Sinica)の李羅權研究員と国立高性能計算機センター(NCHC)の蔡宗哲副研究員が率いる研究チームは、電離層全電子数(TEC)データとスーパーコンピュータ「Taiwania 2」を使って AIモデルを開発した。
研究チームによれば、このモデルは、過去30日間の TEC データを分析することで、M6以上の地震を 1日前に予測することができるという。
過去の研究では、震央から 50km以内では、大地震の前に大気圏の TEC に変化の兆候が見られると中央気象局の地震センターは述べており、1999年の集集地震の直前には台湾上空の TEC が低下していたことを付け加えている。
研究チームは、2003年から2014年にかけてのヨーロッパの TEC データを分析した。
Disturbance storm time index(Dst指数、磁気嵐の指数)、太陽黒点データ、太陽放射指数など特定の情報をフィルタリングすることで、1時間ごとの TEC の変化を正確に判断することができた。
また、地震が発生しなかった 19事例の TEC 変化のデータを用いて、AI モデルの精度を向上させた。
M6 以上の地震が発生する時期を予測できるようにはなったが、電離層データの解像度にはまだ限界があり、震源地がどこになるかは断言できない。
全球の電離層データはヨーロッパから提供されているため、5日程度のデータ送信遅延にも対処する必要がある。
研究チームは、大地震の前に地中のラドン濃度が変化することを見いだした。その変化の度合いは地震の強さと震源からの近さに応じて大きくなる。
この研究成果は、学術誌『Earth and Space Science』に掲載された。