2022年10月30日日曜日

マウナ・ロア山が不穏 — ハワイ (続報)

 
 
マウナ・ロア山では依然として火山活動が高まった状態が続いています。以下は "HAWAIIAN VOLCANO OBSERVATORY DAILY UPDATE U.S. Geological Survey Saturday, October 29, 2022, 8:40 AM HST"(日本時間30日03時40分) からの抜粋・テキトー訳です(この DAILY UPDATE は同じ URL を使って毎日更新されています): 

活動概要:マウナ・ロアは噴火しておらず、現時点では噴火が切迫している兆候はない。しかし、地震活動の増加や山頂の膨張が示すように、マウナ・ロアでは火山活動が高まった状態が続いている。現在の活動の高まりは、マウナ・ロア山頂の地下 3〜8km に新たなマグマが流入していることが原因である可能性が高い。過去 1日間の監視データには大きな変化は見られない。

観測結果:過去24時間、HVO(ハワイ火山観測所)は Mokuʻāweoweo カルデラの地下 2〜5km と、マウナ・ロアの北西斜面上部の地下 6〜8km で 39回の小規模地震(M3.0以下)を検出した。どちらの領域も歴史的に、マウナ・ロアが不安定な時期に地震活動が活発であった。

マウナ・ロアの山頂と山麓にある全地球測位システム(GPS)機器は、9月中旬から上昇した率で山体が膨張していることを観測している。しかし、山頂の傾斜計は過去 1週間、地表の大きな変形を示していない。

二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)の濃度および噴気孔温度は、山頂および Southwest Rift Zone(南西地溝帯)上部の Sulphur Cone(硫黄丘)で安定した状態を維持している。ウェブカメラと赤外線カメラでは、過去 1週間、マウナ・ロアの火山景観に変化は見られない。

解説:火山活動の活発化は、2022年9月中旬から、マウナ・ロア山頂直下の地震発生率の上昇(1日10〜20回から40〜50回へ)、GPS 観測点で記録される山体膨張率の上昇、MOK傾斜計で記録される山体膨張によって始まった。この活発化は、マウナ・ロア山頂のマグマ溜まり系にマグマが新たに流入したことが原因であるとみられる。このマグマ溜まりの膨張にともなって、Mokuʻāweoweo カルデラの直下とカルデラの北西にある領域で小さな地震が引き起こされている。マグマが深部(3キロメートル以深)に入ってきたことは、地表に設置されたGPS ステーション間で測定される上方への移動と伸長が継続的に増加することによって検出される。9月の最後の2週間に山頂傾斜計で記録された膨張は、より浅い場所(3キロメートル以浅)へのマグマの流入に起因する可能性が高い。現在、地震や変形が起きている場所が、必ずしも次の噴火が起きる場所とは限らない。マウ・ナロアの警戒レベルは「ADVISORY/YELLOW」に引き上げられたままである。現在の活動の活発化は、噴火への進行を確実に示唆するものではなく、噴火が切迫していることを示すものでもない。

背景:マウナ・ロアは、地球上で最大の活火山で、ハワイ島の半分を占めている(下図参照)。噴火は大量の高速で移動する溶岩流を発生させる傾向があり、島の東側と西側の地域社会に影響を与えることがある。

マウナ・ロアの噴火は通常、山頂で始まり、噴火開始後数分から数ヶ月の間に Northeast Rift Zone(北東地溝帯) または Southwest Rift Zone(南西地溝帯)、あるいは北側斜面の放射状に並んだ噴火口に移動することがある。十分な記録が残るものとしては最初の 1843年の噴火以来、この火山は 33回噴火しており、噴火の間隔は数ヶ月から数十年におよぶ。マウナ・ロアが最後に噴火したのは 1984年である。
 
Wikipedia より引用