10月9日、観測史上最強のガンマ線バースト(GRB)が地球を貫きました。あまりに高エネルギーのバーストだったため、NASAの観測衛星の検出器が一時的に盲目状態になるほどでした。このバーストが生成した光子のエネルギーは少なくとも18兆電子ボルトで、地球上で最も強力な粒子発生装置である大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が生成する最も高エネルギーな粒子を大きく上まわりました:
このバーストの発生源はいて座の方向にある銀河で、地球からは24億光年離れています。超新星爆発でブラックホールが生まれたことが引き金になってバーストが発生したと考えられています。
このバーストは非常に強力であったため、地球の表面に超低周波の電流が流れました。ガンマ線バーストが地球の大気を電離させたことが原因とみられています:
- Powerful Gamma-Ray Burst Made Currents Flow in the Earth (グラフ、地図、画像あり)
日本に何か影響あったのでしょうか。10月10日夜9時過ぎから宮城県仙台市で約1500戸の電気が点滅する現象が発生しましたが(参照)、時差を考えても該当しないようです(電流のピークは協定世界時10月9日13時21分=日本時間同日22時21分)。また、FM放送電波による地震予測に取り組んでいる八ヶ岳南麓天文台の串田氏の更新情報にも、特に関係ありそうな変動は記載されていません。