22年7月29日付「大地震を80%の精度で予知する方法を開発 — イスラエル」の補足です。
『Remote Sensing』誌に掲載された概要と本文です:
- Using Support Vector Machine (SVM) with GPS Ionospheric TEC Estimations to Potentially Predict Earthquake Events (Abstract、図あり)
- Using Support Vector Machine (SVM) with GPS Ionospheric TEC Estimations to Potentially Predict Earthquake Events (Full-Text、図多数あり)
"Abstract" の主要部分をテキトー訳します:
地震に先行している可能性がある前兆現象の検出をめぐっては、大きな論争がある。強い地震にかかわる自然災害の兆候は、岩石圏、対流圏、電離圏に現れる可能性があり、現在のリモート・センシング技術が、地殻深くに蓄積した応力の早期警告信号(地震イベントに関連すると推定される)を検出・測定する重要なツールとなっている。当論文では、GPS電離層全電子量(TEC)を前処理した時系列推定値を用いて、機械学習サポート・ベクター・マシン(SVM)技術を実装し、地震に起因しTECデータの乱れとして現れる潜在的な前兆現象を評価することを提案する。異なる時間スケールでの太陽や地磁気の影響についてデータをフィルタリングしスクリーニングした結果、大規模地震(>Mw 6)に対しては、真陰性(true negative)の予測は85.7%の精度、真陽性(true positive)の予測では80%の精度が達成可能であることが示された。
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