2023年8月21日月曜日

戦うナマケモノ

 
動きが超緩慢なナマケモノ。厳しい生存競争がある環境で絶滅せずに生き残っているのが不思議ですが、このほどエクアドル東部のヤスニ生物圏保護区(地図)で撮影された動画が、意外にタフなナマケモノの一面を見せてくれます。

撮影されたのは密林の中で地面が露出した場所。さまざまな動物が、食事では得られない栄養分(塩分やミネラル)を摂取するために鉱物を嘗めに集まってくるところです。フタユビナマケモノ (Choloepus Didactylus) が天敵の肉食獣・オセロット (Leopardus pardalis) の攻撃から身を守るようすが記録されています:
 

小惑星 2023 QY が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2023 QY〟が 8月18日から19日にかけて、月と地球の近くを通過していたことが、8月20日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。
 
2023 QY (2023年8月20日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)8月18日 16:55
 (地球)8月19日 00:49
接近日時 誤差
(月)± 12 分
(地球)± 11 分
接近距離 (月)0.274 LD
(地球)0.174 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
13.2 km/s ≅ 4万8000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近
公転周期1298 日 ≅ 3.55 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2023 QR が地球と月に接近・通過

 
8月21日朝、小惑星〝2023 QR〟が 地球と月の近くを通過しました。非常に高速な小惑星です。
 
久しぶりの小惑星接近情報です。夏休みやクリスマス、イースターなど、欧米が休暇の時期になると小惑星の発見・検出が減少する傾向があるように感じます。〝Planetary Defense〟体制は大丈夫なのでしょうか。
 
2023 QR (2023年8月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)8月21日 05:21
 (月)8月21日 08:36
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.540 LD
(月)1.002 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
20.9 km/s ≅ 7万5000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2026年9月6日ごろ
公転周期1108 日 ≅ 3.03 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年8月20日日曜日

焼岳で火山性地震増加

 
人気の観光地・上高地に近い焼岳(地図)で火山性地震が増加しています。
 
「焼岳では、16日09時頃から山頂付近を震源とする微小な火山性地震が増加しています。数回程度で推移していた火山性地震の日回数は、16日10回、17日13回、18日11回、19日15時までに6回(速報値)でした。また、9日から18日までの10日間の火山性地震の合計回数は56
回でした」、「山頂付近で緩やかな膨張を示すと考えられる変化が続いており、中長期的に火山活動が高まってきている可能性がありますので、今後の火山活動の推移に注意してください」: 
 
気象庁の資料によると、焼岳は「有史以降の噴火はほとんど水蒸気爆発で、泥流を生じやすい」とされています。最後の噴火活動は 1962年から 63年にかけてで、小爆発や泥流の発生がありました。
 
参考までに。毎日見ているライブ映像。夏休みで賑わっています:
 
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2023年8月18日金曜日

西村彗星接近中

 
8月11日に静岡県掛川市のアマチュア天文家西村栄男氏が発見した新彗星〝C/2023 P1 (Nishimura)〟が地球や太陽に接近中です(画像Spaceweather.com)。
 
9月13日に地球から 0.29天文単位のところを通過したあと、9月18日には太陽から 0.9天文単位まで接近します(近日点通過)。9月中旬には肉眼でも見える 3等級程度の明るさになると予測されています(彗星の明るさは期待を裏切ることが多いです):
 
この彗星は双曲線軌道をとっており、太陽系内部を訪れるのは今回が最初で最後になるとされています。
 

日向灘の地震

 
昨晩 21時少し前に日向灘を震源とする地震がありました。昼前には豊後水道でも地震がありました。少し遡って8月12日には四国沖でも地震が発生しています(震央地名は「四国沖」とされていますが、日向灘に極めて近い地点でした):
  • 8月12日 19時41分 四国沖 M3.3、深さ 27km、最大震度 1
  • 8月17日 11時32分 豊後水道 M3.4、深さ 30km、最大震度 1
  • 8月17日 20時52分 日向灘 M3.2、深さ 40km、最大震度 2
 
日向灘では先月も 22日に最大震度 4、26日に最大震度 3 の地震が起きています。前者はフィリピン海プレート内部の正断層に起因する地震で、日向灘ではこの日だけで無感地震を含めて 44回の地震が発生しています。
 
日向灘で起きる地震が気になります。そこで、気象庁のウェブサイトで提供されている『震度データベース検索』 で、震央地名「日向灘」を震源とする有感地震の発生数を過去約 100年間にわたって集計しグラフにしてみました:

(クリックで拡大)


過去 100年あまりで、もっとも地震が多く記録されたのは 2022年でした。この年は、1月22日に M6.6、深さ 45km、最大震度 5強の地震がフィリピン海プレート内部で発生し、震源域では 2月3日までに有感地震が 42回発生しました。また、5月2日には M5.0、深さ 22km、最大震度 3,12月18日には M5.4、深さ 34km、最大震度 4 が起きています。この 2つの地震は、陸側プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震でした。
 
 
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2023年8月15日火曜日

火の鳥?

 
「ダビデ・バジーレによるこの有名な写真は、エトナ山(地図)の噴火を撮影したものだが、シチリア島上空を飛翔する火の鳥のような錯覚を起こさせる」:
 

北陸トンネル内で緊急停止信号トラブル

 
8月10日午前、北陸本線の北陸トンネル(全長 13.9km、地図)内で、複数の列車が緊急停止信号を受信したため、部分運休を含め 24本が運休し、22本に最大 178分の遅れが発生しました。JR西日本では、原因はトンネル内に設置した異常を知らせる無線の中継装置の故障としています:
 
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噴火終息 — アイスランド

 
7月28日付「噴火始まる — アイスランド (続報)」の続報です。

アイスランド気象局が 8月8日に発表したところによると、レイキャネス半島で 7月10日に始まった噴火は、8月4日深夜から弱まり始め、5日正午には終息したようです:
 
以下は発表からの抜粋です ——
 
2023年8月8日更新

レイキャネス半島の活動が新たな段階に入った。先週末には、リトリ・フルートゥル(Litli-Hrútur)で噴火を起こしていた火口が縮小しているのが確認された。期を同じくして、8月4日深夜から、噴火地点に近い多くの観測点で観測された火山性微動が安定的に減少し始めた。8月5日正午には、噴火地点のすぐ近くにあるフラウンゼル・ヴァトンフェル(Hraunsel-Vatnsfell)の観測点で検出された揺れは、さらに減少し、噴火前のレベルになった(グラフ)。その後、火口での活動は観測されていない。この地域の地震活動は続いているが、噴火の初期に比べるとかなり弱くなっている。人工衛星(MODIS)によって最後に熱異常が検出されたのは 8月6日である。
 
リトリ・フルートゥルの噴火が終息したと宣言するのはまだ早いが、レイキャネス半島の噴火活動の新たな段階が始まったことは明らかである。 今後、地震活動が再び活発化し、新たな噴火が始まるかどうかを予想するのは時期尚早である。時間が経ってみなければわからない。 
 
 

2023年8月14日月曜日

プレート・テクトニクスの創始者、死去

 
相対性理論ならアインシュタイン、進化論ならダーウィン(とウォーレス)というふうに、自然科学上の理論や概念にはただちに思い浮かぶ学者の名前があります。しかし、 地球科学に大きなパラダイム・シフトをもたらしたプレート・テクトニクスについては、そのような名前を思い浮かべられる人は少ないのではないでしょうか。これは、プレート・テクトニクスが複数の学者によってほぼ同時期に着想され、複数の学者によって完成に導かれたという経緯があるためだと思われます。

プレート・テクトニクスの創始者、ウィリアム・ジェイソン・モーガン博士が 7月31日、米国マサチューセッツ州の自宅で死去しました。享年87歳。死因は公表されていません。
 
以下は 8月13日付『The Washington Post』紙の記事です。
 
1967年4月にワシントンで開かれたアメリカ地球物理学連合の会合で、モーガン博士は当初、大西洋の最深部であるプエルトリコ海溝について話す予定だった」、「その代わりに、彼は、海底からのデータを徹底的に調査した数か月にわたる研究に基づいて、はるかに新しくてエキサイティングな研究を共有することに決めた。(中略)この講演はほぼ即座に地球科学の分野を変えることになるが、数年後にモーガン博士は『私が昼休み前の最後の講演者だったため、ほとんどの人が部屋を出て行ったと苦笑いした」、「その会議で、彼は科学者たちに、新しいプレゼンテーションのために用意した『隆起、海溝、大断層、地殻ブロックというタイトルのアウトラインを配布した。地殻ブロックは後にプレートとして知られるようになった」、「モーガン博士は、球面三角法と呼ばれる数学の分野で訓練を受けていたため、地図を地図上の平面的な形としてではなく、地球という球面上の 3次元的な形として見ることができた(参考)」:

以下は "1990 Japan Prize" の受賞者です。プレート・テクトニクスの創始者としてモーガン博士を含む 3人が受賞しています。
 
「モーガン博士は、地震発生のときの断層面のずれの向き、トランスフォーム断層の方向及び海底の地磁気の縞模様等を総合して、地球表面を約20個のプレートに分割し、それらのプレートの運動の解析を試みた。そしてプレートの相対的運動からプレートが剛体的に地球表面に沿って回転運動していることを明らかにした。同博士はまた、ホットスポット(マントル深部から高温物質が上昇してくる点)が固定されているという考えに基づき各プレートの絶対的運動を決定した。この研究により、海嶺、沈み込み帯、トランスフォーム断層等がプレートの運動によって統一的に説明されることが示され、プレートの考えの重要さが広く認識され、この考えに基づく研究がその後爆発的に発展するきっかけとなった」: