5月3日付「温泉施設で蒸気噴出 ― 箱根山」の続報です。
地震活動解析システム(TSEIS)を使って、箱根山と(ついでに)富士山周辺の震源分布図を作ってみました。図1は2014年1月1日から5月2日まで、図2は2015年の同一期間の震源分布です:
図1 2014年1月1日~5月2日 (クリックで拡大) |
図2 2015年1月1日~5月2日 (クリックで拡大) |
右側(静岡-神奈川県境)の震源の塊が箱根山、左側(山梨-静岡県境)が富士山です。全体的に、去年より今年の方が地震の数が増えています。
箱根山では、今年は地表に近いところの地震が増えています。図1と図2では山梨-神奈川県境(丹沢山塊西部)で発生している地震の震源が断面図に入り込んでしまうので、別の切り口の断面図で確認したのですが、箱根山の地下10km以深では去年はほとんど地震が発生していなかったのですが、今年は深さ20~30kmに震源の塊ができています。
富士山では、深さ10~20km付近の地震が去年に比べて増えていますが、震源が浅いところに向かって移動するはっきりとした傾向は見られません。去年は、山頂の南側に震源が多かったのですが、今年は北側の方が多くなっています。
地震活動解析システム(TSEIS)は気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
- 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)
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