2012年6月23日土曜日

大形小惑星が地球に接近 (続報)


6月18日付「大形小惑星が地球に接近」の続報です。

日本時間の6月15日に地球に最接近した大形小惑星〝2012 LZ1〟の直径が、当初考えられていた〝シティ・ブロック・サイズ〟(約400m)ではなく、その2倍の約1kmであることが、プエルト・リコのアレシボ天文台がおこなったレーダー観測によって明らかになりました:

小惑星はどんなに大きな望遠鏡を使っても点にしか見えません。そのため、望遠鏡で見える映像から直径を直接測ることはできません。当初の〝シティ・ブロック・サイズ〟という推定値は、小惑星までの距離とその明るさから計算されたものでした。同じ小惑星なら近くにあるほど明るく見える、大きな小惑星ほど太陽の光を多く反射するので明るく見える、という原理にもとづいた計算でした。

しかし、この計算法には落とし穴があります。それは、小惑星の表面反射率によって大きさの推定値が影響を受けるという点です。ほとんどの小惑星の反射率は4%程度といわれていますが、反射率が高ければ同じ大きさの小惑星であってもより明るく見え、反射率が低ければより暗く見えます。そのため、直径の推定値は、反射率の高い小惑星では実際よりも大きく、反射率の低い小惑星では実際よりも小さくなってしまいます。今回の〝2012 LZ1〟の場合は後者で、表面の反射率が想定よりも低かったため、その大きさが過小評価されてしまったということのようです。

〝2012 LZ1〟のような直径1km級の小惑星が地球に衝突した場合、人類絶滅には至らないものの全地球規模の甚大な災害になると考えられています。幸いなことに、〝2012 LZ1〟は今後少なくとも750年間は地球に衝突することがないということです。


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