日本時間の昨日朝 7時40分頃にメキシコ北部で発生した M7.2 の大地震では、現時点で死亡 2人、負傷百数十人、そのうち重傷が 5人という被害が出ています。震源に近いバハ・カリフォルニア州の州都メヒカリには非常事態が宣言されました。この地震は、サンアンドレアス断層の南の延長線上で、横ずれ断層が活動したために起きたと考えられます。
以下の記事には、地震発生直後に震源付近の山脈に立ちのぼった大量の土煙を捉えた動画が掲載されています:
記事の説明によると、メヒカリ南方の幹線道路を走行中に車が前後にひどく揺れたので、車を路肩に寄せて停車。道路と並行して走る山脈が土煙に包まれているのを目撃したとのことです。
このような現象は、乾燥地帯で発生する地震では時たま起きるようです。何年か前、カリフォルニア州かアリゾナ州(記憶が曖昧です)の砂漠地帯を震源とする地震が起きたときにも、今回のものよりは小規模ですが山々から土煙が上がっているのが静止画で撮影されています。
少し不思議なのは、平地では土煙が上がっていないことです。山の方が斜面があるので土砂の崩落が起きやすく、土煙が上がりやすいのはわかるのですが、激しい振動が原因であるならば、平地でも震源に近い場所では多少の土煙が上がってもよいようにも思います。
ひょっとしたら、単純な土煙ではなく、断層に沿って地中から放出された水蒸気か何らかのガスなものかも知れません。カリフォルニアでは、サンアンドレアス断層やその支脈に沿って、上記の動画に写っているような背の低い山脈がいくつも連なっています。USGSの発表した地図によれば、震源は動画に写っている山脈の真下にあるようです(下記グーグル・マップを参照してください)。
動画の開始から 1分 12秒前後に、直線状の白い雲のようなものが写っています。おそらく飛行機雲であろうと思いますが、電線が光を反射しているのかも知れません。
以下のグーグル・マップには、震央の位置がマークしてあります。上記の動画に写っている周囲の地形とよく一致しています。地震は現地時間の午後 3時 40分頃に発生しました。車や電柱の影から判断して、山脈は道路の西側に位置しています: