京都大学防災研究所などの国際研究グループの研究成果です。
「メキシコ合衆国のゲレロ州の太平洋沿岸部のゲレロ地震空白域周辺のGNSS及び地震観測網を強化し、2017-2018年にかけてメキシコ中南部で発生した3つの大地震およびその周辺で発生したスロースリップの同時観測に成功しました。観測された地殻変動データの解析の結果、M8クラスのスラブ内巨大地震がプレート境界の力学的特性を大きく変化させて、付近で定期的に発生しているスロースリップの発生サイクルを大きく変化させ、さらにスラブ内及びプレート境界で発生したM7クラスの2つの大地震を誘発するなど、大地震とスロースリップの相互作用として一連の活動が説明できることを示しました」:
- 大地震とスロースリップの相互作用――メキシコにおける3つの大地震の連鎖的発生のメカニズム
- 大地震とスロースリップの相互作用を解明-メキシコにおける3つの大地震の連鎖的発生のメカニズム- (PDF形式)
- 大地震と「ゆっくり滑り」の相互作用を観測で解明 京大など国際グループ
研究対象となった3つの大地震は以下のとおりです(震央領域地図):
- 2017年9月8日 テワンテペック地震(海洋プレート内部の地震、M8.2)
- 2017年9月19日 プエブラ地震(海洋プレート内部の地震、M7.1)
- 2018年2月16日 ピノテパ地震(プレート境界地震、M7.2)