2023年9月28日木曜日

湧水の水量減少 — 秋田県由利本荘市

 
秋田県由利本荘市の山中にある「ボツメキ湧水」(地図)の水量が減少しています。最近の少雨が主な原因と見られていますが、どうでしょうか:
 
由利本荘市の資料によれば、湧水の近くには八塩山断層が発達しているとのことです:
 
また、鳥海山・飛島ジオパークの資料には次のような解説が載っています:

ボツメキ湧水は、八塩山の中腹に位置しています。八塩山の周囲に高い山はなく、ボツメキ湧水は八塩山に降った雨や雪解け水が起源と考えられます。しかしボツメキ湧水以外に、八塩山に水量の豊富な湧き水はみられません。どうやら、ボツメキ湧水の秘密は八塩山の地下にあるようです。八塩山の地下には、八塩山を作り出した地殻変動によってできた断層があり、この断層はボツメキ湧水の近くを通っていると考えられています。断層と地下の水の流れとの関係は様々ですが、八塩山では、断層が地下の水の流れを規制してボツメキ湧水の豊富な水量を支えていることが考えられます。
 
 
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小惑星 2023 SH7 が地球と月に接近・通過

 
9月26日午前、小惑星〝2023 SH7〟が地球と月の近くを通過していたことが、9月27日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは地球最接近の翌日でした。
 
2023 SH7 (2023年9月27日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月26日 01:50
 (月)9月26日 10:14
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.140 LD
(月)0.897 LD
推定直径
1 ~ 3 m
対地球相対速度
8.6 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2029年1月22日ごろ
公転周期498 日 ≅ 1.36 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年9月27日水曜日

昭和新山で大規模崩落

 
26日午後4時ごろ、北海道壮瞥町の昭和新山(地図)南側の 9合目付近から溶岩ドームが崩れ、岩塊が中腹まで落下しました。札幌管区気象台は、火山活動による崩落ではないとしています。

「地表が風化して崩れることはよくあるが、今回は大規模で山の形が変わった」(昭和新山パークサービスセンター):
 
気象庁が今月初旬に発表した「有珠山の火山活動解説資料(令和5年8月)」(PDF形式)には、昭和新山に関する特段の記載はありません。
 
 

太陽近傍を通過中の西村彗星

 
太陽周回軌道上の太陽観測機 STEREO が捉えた西村彗星の動画です。太陽風やコロナ質量放出(CME)によって彗星の尾が変化する様子が見られます。9月17日(日本時間では 18日)の近日点通過から 9月23日までが収められています:
 
 動画の終盤に彗星が暗くなり、動きが遅くなっているのは、彗星以外の観測のために撮影頻度が 40分に1回から 20分に1回に増やされ、それに伴って露出時間が短くなったためです。画面下部に見えている明るい星は、はるか遠方にある火星です。
 
 
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2023年9月25日月曜日

3つの小惑星が月と地球に接近・通過

 
9月16日から23日にかけて、3つの小惑星が月と地球の近くを通過していたことが、9月24日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2023 SR5
(2023年9月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)9月16日 12:32
 (地球)9月16日 21:23
接近日時 誤差
(月)± 13 分
(地球)± 12 分
接近距離 (月)0.999 LD
(地球)0.454 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
9.4 km/s ≅ 3万4000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近
公転周期1238 日 ≅ 3.39 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2023 SL5
(2023年9月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)9月20日 14:17
 (地球)9月20日 16:54
接近日時 誤差
(月)± 4 分
(地球)± 4 分
接近距離 (月)0.946 LD
(地球)0.135 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
13.9 km/s ≅ 5万 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2024年9月20日ごろ
公転周期350 日 ≅ 0.96 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2023 SM5
(2023年9月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月23日 20:14
 (月)9月23日 20:55
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.979 LD
(月)0.823 LD
推定直径
14 ~ 30 m
対地球相対速度
11.5 km/s ≅ 4万1000 km/h
初観測から地球接近まで4 日
次の地球接近2024年9月5日ごろ
公転周期335 日 ≅ 0.92 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
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2023年9月24日日曜日

小惑星探査機 OSIRIS-REx の帰還迫る (続報)

 
記念切手が発行されます。カプセルの軟着陸成功を確認してから発表しても良かったのでは。金額が印刷されていないのは、この切手が〝forever stamp〟だから。今後、郵便料金の値上げがあっても、差額の切手を貼り足す必要はないのだそうです。
 
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2023年9月23日土曜日

小惑星探査機 OSIRIS-REx の帰還迫る

 
日本時間 9月24日夜、NASA の小惑星探査機 OSIRIS-REx(The Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security-Regolith Explorer)が地球に帰ってきます。同探査機が採取した約 250g のサンプルが入ったカプセルは、日本時間 24日23時55分に米国西部ユタ州の砂漠にある国防総省のユタ試験訓練場(地図)に着地する予定です。
 
OSIRIS-REx 本体は、カプセル分離後に軌道を変更して、地球に衝突する可能性のある小惑星アポフィスの調査に向かうことになっています。

日本時間  
19:42 カプセルを分離
20:02
探査機本体が軌道変更、小惑星アポフィスへ向かう
23:42
カプセルが大気圏突入、
高度 132km、時速 4万4498km
23:43
カプセルが最高温度に達する、2760℃
23:44
カプセルの減速用パラシュートを展開、
高度 3万1181m
23:45
探査機本体が近地点を通過、高度 779km
23:50
カプセルのメイン・パラシュートを展開、
高度 1539m
23:55
カプセルが着地

 
 OSIRIS-REx は 2016年9月に打ち上げられ、2018年に小惑星ベヌウ(ベンヌ)に到着。同小惑星の調査とサンプル採取をおこなった後、2021年5月に地球への帰路につきました。
 
 
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2023年9月22日金曜日

マリアナ諸島と北マリアナ諸島

 
私も混乱していたので整理しておきます。
 
「マリアナ諸島」は小笠原諸島の南方に連なり、フィリピン海の東縁をなす島弧/列島の名称。
 
「北マリアナ諸島」は、マリアナ諸島のうち、南端のグアム島を除く島々で構成される北マリアナ諸島自治連邦区(Commonwealth of the Northern Mariana Islands)の通称。アメリカ合衆国の自治領。サイパン島、テニアン島、ロタ島など 14の島が属する。 グアム島は単独でアメリカ合衆国の準州。

つまり、「マリアナ諸島」は地形の名前、「北マリアナ諸島」は行政区画の名前。
 
 
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ルビー海山が噴火 — マリアナ諸島

 
9月15日朝(現地チャモロ標準時は日本時間+1時間)、サイパン島の北西約 47km にあるルビー海山(地図)が噴火しました。地震音響信号(seismoacoustic signals)が観測され、衛星画像では海面の変色が確認されています。米国地質調査所は航空カラー・コードと火山警戒レベルを黄色/勧告に引き上げています。
 
ルビー海山はマリアナ弧の南端近くにあり、頂上は海面から 230 m 以内にあります。 この火山の噴火が最初に観測されたのは 1966年で、ソナー(水中聴音機)によって検出されました。 1995年には、魚の死骸、海面の泡立ち、硫黄臭があり、火山性の震動を伴う海中の爆発音が記録されました。


 
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キラウエア山が噴火 — ハワイ (続報)

 
9月10日(日本時間11日)に始まったキラウエア山(地図)の噴火は、9月16日に終息しました。地震活動、傾斜変動、地形の変形、火山ガスは通常状態に戻っています。噴火が再開する可能性は低いとみられています:
 

小惑星 2023 SP3 が月と地球に接近

 
9月25日朝、小惑星〝2023 SP3〟が月と地球に接近します。
 
2023 SP3
(2023年9月21日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)9月25日 07:01
 (地球)9月25日 08:29
接近日時 誤差
(月)± 3 分
(地球)± 3 分
接近距離 (月)0.990 LD
(地球)0.855 LD
推定直径
14 ~ 32 m
対地球相対速度
11.7 km/s ≅ 4万2000 km/h
初観測から地球接近まで11 日
次の地球接近2024年9月26日
公転周期371 日 ≅ 1.02 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月21日木曜日

小惑星 2023 SC2 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2023 SC2〟が 9月18日に月と地球の近くを通過していたことが、9月19日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは、地球最接近の翌日でした。
 
2023 SC2
(2023年9月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)9月18日 18:34
 (地球)9月18日 23:52
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.827 LD
(地球)0.452 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
18.5 km/s ≅ 6万6000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1072 日 ≅ 2.94 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月20日水曜日

小惑星 2023 SN1 が地球と月に接近

 
9月20日午後、小惑星〝2023 SN1〟が地球と月に接近します。

2023 SN1 (2023年9月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月20日 16:42
 (月)9月20日 19:27
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.863 LD
(月)0.819 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
16.2 km/s ≅ 5万8000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2025年12月6日ごろ
公転周期751 日 ≅ 2.06 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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小惑星 2023 RG22 が地球と月に接近・通過

 
9月8日早朝、小惑星〝2023 RG22〟が 地球と月の近くを通過していたことが、9月19日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは地球最接近の 3日後でした。
 
2023 RG22 (2023年9月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月8日 03:55
 (月)9月8日 05:00
接近日時 誤差
(地球)± 39 分
(月)± 38 分
接近距離 (地球)0.993 LD
(月)1.239 LD
推定直径
16 ~ 36 m
対地球相対速度
11.2 km/s ≅ 4万 km/h
初観測から地球接近まで−3 日
次の地球接近2025年10月2日ごろ
公転周期751 日 ≅ 2.06 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月18日月曜日

火星のオタマジャクシ

 
これはいったい何なのでしょうか。周囲の岩肌とは明らかに異なる滑らかな表面と、明瞭に 2つに分かれた色合い。NASAの火星探査車・キュリオシティが Sol 3385(2022年2月13日)に撮影した画像です。この物体の成因について NASA の説明は見当たりません。キュリオシティは、2012年8月5日に火星の赤道付近にあるゲール・クレーター内に着陸し、11年後の現在も探査活動を続けています。
 
 

小惑星 2023 RM16 が地球と月に接近・通過

 
9月5日から6日にかけての夜、小惑星〝2023 RM16〟が 地球と月の近くを通過していたことが、9月17日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは地球最接近の 3日後でした。
 
2023 RM16 (2023年9月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月5日 21:58
 (月)9月6日 01:55
接近日時 誤差
(地球)± 1 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.912 LD
(月)1.780 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
8.7 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで−3 日
次の地球接近2030年4月15日ごろ
公転周期504 日 ≅ 1.38 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月14日木曜日

震源地に真水が湧き出す — モロッコ

 
モロッコでは 9月8日の深夜に大地震があり、多くの犠牲者が出ていますが、その地震の震源地近くで、真水が湧き出しているとのことです。

「神に栄光あれ、地震の被害を受けた地域は、モロッコで最も干ばつに苦しんでいる地域の一つであったにもかかわらず、豊富な淡水の泉が出現した」(Google 翻訳):


 
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2023年9月13日水曜日

小惑星 2023 RR5 が地球と月に接近

 
9月13日から14日にかけて、小惑星〝2023 RR5〟が地球と月に接近します。比較的珍しいアテン群に分類される小惑星です。

2023 RR5 (2023年9月12日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月13日 22:11
 (月)9月14日 04:56
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 3 分
接近距離 (地球)0.539 LD
(月)1.213 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
13.8 km/s ≅ 5万 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2026年6月20日
公転周期290 日 ≅ 0.79 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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小惑星 2023 RK5 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2023 RK5〟が 9月9日に月と地球の近くを通過していたことが、9月11日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。
 
2023RK5 (2023年9月11日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)9月9日 18:15
 (地球)9月9日 19:47
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± 1 分
接近距離 (月)1.133 LD
(地球)0.734 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
10.1 km/s ≅ 3万6000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2041年9月24日ごろ
公転周期659 日 ≅ 1.80 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月12日火曜日

地震発光現象か — モロッコ

 
モロッコ西部の街・アガディール(地図)の住宅に設けられた防犯カメラが、地震発光の可能性がある青い光を捉えていました。

映像は、左上に表示されている時刻が正しいとすれば、地震発生の3分ほど前からの約30秒間の記録です。この間に、画面の上部に3回、閃光が写っています。樹木の梢が風になびいているように見える以外、揺れている様子はなく、歩いている人も慌てている様子がないので、地震発生前であることは確かなようです。


 
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箱根山が山体膨張

 
気象庁が 9月8日に発表した「箱根山の火山活動解説資料(令和5年8月)」(PDF形式)によると、「GNSS連続観測では、箱根山を挟む基線で7月頃から伸びがみられています。同様な変化は2015年や2019年などにもみられており、これらは山体膨張を示していると考えられます」とのことです。7月分までの解説資料では「地殻変動観測では、火山活動によるとみられる特段の変化は認められません」となっていました。

地震活動については「概ね低調に経過」したものの、「(8月)9日 22 時頃から 10 日2時頃にかけてと 14日 20 時台に、大涌谷・駒ヶ岳付近で微小な地震が一時的に増加」したとのことです。
 
 
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2023年9月11日月曜日

地異印象記 (その 2)

 
哲学者・倫理学者の和辻哲郎の『地異印象記』(青空文庫所収)には、関東大震災当時に広まった流言がいくつか書き留められています。以下に引用する部分には、伊豆大島噴火のうわさや、次の強震の時刻を知らせる「おふれ」のことが記されています ——
 
 自分を驚かせたのは火事よりも大島爆発の噂であった。自分はそれを印絆纏の職人ふうの男から聞いた。その男に注意されて見ると、南の方に真っ白な入道雲がひときわ高くムクムクと持ち上がり、それが北東の方へ流れて、もう真東の方までちょうど山脈のように続いている。真蒼な空に対照してこの白く輝く雲の峰はいかにも美しかった。なるほど南の端の大きい入道雲はだいたい大島の方角のように思われる。がそれにしてもこの短い時間(自分はそのとき最初の震動からせいぜい十分か十五分経ったばかりだと思っていた)の間に大島の噴煙が東京まで飛んでくるのは不思議だと思った。というのは、南方のは大島の上の煙であるとしても、東方まで流れて来ているのは確かに東京の上にあるに相違ないからである。しかしそのときには他にこの雲に対する説明の仕方が思いつけなかった。そうしてあの爆音はなるほど大島の爆発の音だったのだと考えた。こういう噂がひろまり又それを受け容れる心持ちには、我々に最も近い桜島の爆発の知識が働いていたように思う。
 
(中略)
 
 帰って家族に大島の爆発のことを話し、太陽の直射の激しいことをこぼしながら、しばらく漫然として、あてもなく、しかも呑気な気持ちで、次に起こることを待っていた。二時と五時にまた強震があるというおふれが廻って来たが、危険のない空地にいることとて、家が潰れはしないかという心配のほかには、なんの不安もなかった。
 
 
最初の段落の末尾に「我々に最も近い桜島の爆発の知識が働いていたように思う」とありますが、当時の和辻は東京の郊外に住んでおり、過去に鹿児島県に住んだこともないようなので、なぜ桜島が「我々に最も近い」とされているのか、判然としません。関東大震災の 9年半ほど前の 1914年1月に起きた桜島の大正大噴火が脳裏をよぎったということでしょうか。

中略の部分では、大島からの噴煙のように見えた煙の正体について、あれこれ考察しています。
 
最後の段落には、 「二時と五時にまた強震がある」という、大地震の際にしばしば現れる典型的な流言があったことが記録されています。
 
 

キラウエア山が噴火 — ハワイ

 
9月10日15時15分(日本時間 11日10時15分)ごろ、ハワイ島のキラウエア火山(地図)が噴火し始めました。噴火場所はハレマウマウ火口内と、山頂カルデラの東側。噴火に先行して、強い地震活動と山頂の急速な隆起があったとのことです:
 
 
 

横風着陸

 
偶然遭遇したショート動画です。強い横風を受けながら着陸する旅客機の様子です(横風着陸)。機首を風上に向けるため、滑走路に対してほとんど横向きに接近して、接地直前に機体の主軸を滑走路に合わせています。冒頭の部分で機体があまりに大きく揺れているので、初めて見たときには無線操縦の模型飛行機かと思ってしまいました:
 

小惑星 2023 RY2 が地球と月に接近・通過

 
9月8日午後に小惑星〝2023 RY2〟が 地球と月の近くを通過していたことが、9月10日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは地球最接近の 1日後でした。
 
2023 RY2 (2023年9月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月8日 15:43
 (月)9月8日 18:09
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.492 LD
(月)1.260 LD
推定直径
6 ~ 13 m
対地球相対速度
10.5 km/s ≅ 3万8000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期779 日 ≅ 2.13 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2023年9月10日日曜日

西村彗星接近中 (続報)

 
西村彗星が夜明け前の東の空に長い尾を引いた姿を現しています:
 
国立天文台の資料によると、西村彗星は太陽にもっとも接近(近日点通過)する 9月18日前後には 2.5等級ほどの明るさになると予想されていますが、観測条件が悪いため肉眼で見るのは難しそうだとのことです。9月14日ごろからは、彗星は夕方の西空に見えるようになります:
 
9月初めごろには、太陽面爆発の影響による太陽風の乱れで、西村彗星の尾がちぎれる現象が観測されています:
 
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2023年9月9日土曜日

モロッコで M6.9

 
9月8日深夜23時過ぎ(日本時間 9日07時11分) 、北アフリカのモロッコで M6.9 の地震がありました(震央地図)。震源地は人気の観光地であるマラケシュ(人口約 84万人)の南西約 72km。まだ、被害の報道は少ないですが、多くの建物が倒壊しているもようです。
 
EMSC(ヨーロッパ地中海地震学センター)は M6.9、震源の深さ 10km、USGS(米国地質調査所)は M6.8、深さ 18.5km、Geoscope は M6.9、深さ 24km、日本の気象庁は M7.0、深さ 約 30km としています。北アフリカのこの地域を襲った地震としては過去 120年以上で最大規模だったとのことです。

[9月10日追記: USGS は震源の深さを 26.3km に、震央の位置を南東に約 7km ずれた位置に更新しました。EMSC は地震の規模を M6.8 に、震源の深さを 12km に更新しました。]

[9月12日追記: USGS は震源の深さを 18.0km に、EMSC は 26km に更新しました。]
 
以下は USGS の "Tectonic Summary" の抄訳です ——
 
2023年9月8日にモロッコのオウカイメデネ付近で発生した M6.8 の地震は、マラケシュの南東約 75km にあるハイ・アトラス山脈内の浅い深さの斜め逆断層によって発生した。 この地震の発震機構解は、走向が北西で急傾斜の斜め逆断層、または走向が東で浅い傾斜の斜め逆断層で破壊が発生したことを示している。 ハイ・アトラス山脈には、東西方向と北東-南西方向に走る様々な横ずれ断層と衝上断層が分布している。今回の地震は、アフリカ・プレートとユーラシア・プレートの間のプレート境界から約 550km 南にあるアフリカ・プレート内で発生した。 この地震の発生場所では、アフリカ・プレートがユーラシア・プレートに対して西南西方向に年間約 3.6mm 移動している。[9月12日修正: USGS が移動速度を 24mm から 3.6mm に修正]

この地域で今回のような規模の地震が起きることは珍しいが、想定外ではない。1900年以降、この地震から 500km 以内では M6 以上の地震は起きておらず、M5 以上の地震は 9回しか起きていない。これらのほとんどは、今回の地震の東側で発生している。
 
 
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2023年9月8日金曜日

小惑星 2023 RS が地球と月に接近・通過

 
9月7日から8日にかけての深夜、小惑星〝2023 RS〟が 地球と月の近くを通過しました。地球にもっとも近づいたときの地表からの高度は約 4000km でした(静止衛星の高度は約 3万6000km)。
 
2023 RS (2023年9月7日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月7日 23:26
 (月)9月8日 03:16
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.027 LD
(月)0.941 LD
推定直径
1 ~ 2 m
対地球相対速度
13.6 km/s ≅ 4万9000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2024年1月29日
公転周期649 日 ≅ 1.78 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年9月5日火曜日

首都直下地震で地下ガス爆発?

 
Smart FLASH』の記事です。長い記事ですが、後半に信州大学・榎本祐嗣名誉教授の指摘があります。
 
「東京都心部の地下には、日本最大の『南関東ガス田』があります」、「採掘が停止されて50年以上たち、さらに現在の東京の地表は、コンクリートの建物やアスファルトでほぼ塞がれています。ガスは溜まりに溜まっている状態です」、(関東大震災の火災は)「七輪やかまどの火の不始末が、火災旋風(炎をともなうつむじ風)で燃え広がったというのが定説ですが、金属が溶けるほどの高温になった説明がつきません。私は、上ガスが原因だったと考えています」、「地下のガスが地震によって噴出し、引火して一気に爆発した可能性があるのだ」:
 

地異印象記 (その 1)

 
哲学者・倫理学者の和辻哲郎の『地異印象記』(青空文庫所収)から。「人間は自分の欲せぬことを信じたがらぬもの」 ——

 大正十二年ごろ関東地方に大地震がある、ということをある権威ある地震学者が予言したと仮定する。その場合今度のような大災害は避けられたであろうか。大本教は二、三年前大地震を予言して幾分我々を不安に陥れたが、地震に対する防備に着手させるだけの力はなかった。しかしそれは大本教が我々を承服せしめるだけの根拠を示さなかったからである。もし学者が在来の大地震の統計や地震帯の研究によって大地震の近いことを説いたならば、人々はあらかじめあの震害と火災とに備えはしなかったであろうか。

 自分は思う、人々は恐らくこの予言にも動かされなかったろうと。なぜなら人間は自分の欲せぬことを信じたがらぬものだからである。死は人間の避くべからざる運命だと承知しながらも我々の多くは死が自分に縁遠いものであるかのような気持ちで日々の生を送り、ある日死に面して愕然と驚くまでは死に備えるということをしない。それと同じように、百年に一度というふうな異変に対しては、人々はできるだけそれを考えまいとする態度をとる。在来の地震から帰納せられた学説は、この種の信じたがらぬものを信じさせるほどの力は持たない。結局学者の予言も大本教の予言と同様に取り扱われたであろう。
 
 

2023年9月4日月曜日

存在しない山々が見える — 沖縄県

 
琉球新報』の記事から。8月25日午後、沖縄県の名護湾(地図)沿いの国道 58号から臨む本部半島(地図)の稜線の向こうに、実在しない山々が幾重にも重なって見える現象が目撃・撮影されました。記事にはこの現象の原因は書かれていません:

記事中にある「カタブイ」については以下を参照してください:
 

「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である

 
いろいろな植物が季節はずれに花を咲かせていることから、小説家の芥川龍之介が関東大震災を予言していたという話。青空文庫収録の『大正十二年九月一日の大震に際して』から引用します。文中の「僕」が芥川龍之介です ——

 大正十二年八月、僕は一游亭と鎌倉へ行き、平野屋別荘の客となつた。僕等の座敷の軒先はずつと藤棚になつてゐる。その又藤棚の葉の間にはちらほら紫の花が見えた。八月の藤の花は年代記ものである。そればかりではない。後架の窓から裏庭を見ると、八重の山吹も花をつけてゐる。
  山吹を指すや日向の撞木杖    一游亭
   (註に曰、一游亭は撞木杖をついてゐる。)
 その上又珍らしいことは小町園の庭の池に菖蒲も蓮と咲き競つてゐる。
  葉を枯れて蓮と咲ける花あやめ  一游亭
 藤、山吹、菖蒲と数へてくると、どうもこれは唯事ではない。「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である。僕は爾来人の顔さへ見れば、「天変地異が起りさうだ」と云つた。しかし誰も真に受けない。久米正雄の如きはにやにやしながら、「菊池寛が弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄したものである。
 僕等の東京に帰つたのは八月二十五日である。大地震はそれから八日目に起つた。
「あの時は義理にも反対したかつたけれど、実際君の予言は中つたね。」
 久米も今は僕の予言に大いに敬意を表してゐる。さう云ふことならば白状しても好い。――実は僕も僕の予言を余り信用しなかつたのだよ。
 
 

2023年9月3日日曜日

ロシア・ウクライナ戦争と地震観測網


Nature』誌に掲載された論文です。地震観測網によって得られる爆発のデータが、戦争を客観的に監視するための効果的なツールとなり、国際法違反の攻撃に関する客観的情報の収集に役立つとのことです。
 
「(地震計のネットワークによって)2022年2月から 11月にかけて、キエフ、ジトーミル、チェルニーヒウの各県で 1200 件を超える爆発が観測され、正確な発生時刻、場所、規模が判明した。 私たちは、さまざまな種類の軍事攻撃に関連する一連の地震音響信号を特定し、その結果得られた爆発のカタログは、公的に報告されている攻撃の数をはるかに上回っている」:
 


イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-153)

 
米国イエローストーン国立公園の 8月の状況です。スティームボート間欠泉(地図)の噴出が 8月25日にありました。77日ぶりで、今年 6回目の噴出です。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月5日 30
2 1月28日 23
3 3月11日 42
4 5月7日 57
5 6月9日 33
6
8月25日 77
 
 
地震活動は通常のレベルでした。136件の地震が記録され、最大は 8月12日に発生した M2.7。8月2日から 4日にかけて、オールド・フェイスフル間欠泉の北北東約 26km の場所で群発地震があり、14件の地震を観測。
 
スティームボート間欠泉のあるノリス間欠泉盆地近くの GPS観測点では、2022年10月から 2023年6月にかけて合計約 3cm の着実な沈降が記録されていましたが、7月と 8月にはいかなる変形も観測されませんでした。

イエローストーン・カルデラでは、年間数センチメートルで 2015 年以来続いてきた沈降が停止。毎年夏に起こる現象で、雪解け水などが地下に浸透したことが原因。季節的な隆起も観測されませんでした。


 

2023年9月2日土曜日

災害前に起きる異変の数々

 
デイリー新潮』の記事です。東京消防庁監修『新 消防雑学事典 二訂版』や、消防庁のホームページ内の「全国災害伝承情報」に収録されている関東大震災やその他の災害の前兆現象を紹介しています。
 
「2~3日前、上天気の午後、富士山の上あたりに稲妻が横に走り続けた」、「15日前、埋立地にアリが各所に穴を作り出し、その活動が異常だった。異変の前兆かと新聞にも載った」、「以前は海水浴ができない海が、その年珍しく、遠浅になり、海水浴場になった」等々:
 

2023年9月1日金曜日

日本大地震

 
関東大震災当時、ドイツに留学中だった斎藤茂吉による『日本大地震』(青空文庫収録)からの抜粋です。 大震災がヨーロッパにどのように伝えられたかが垣間見えます。ドイツで日本の大震災が報じられたのは 9月3日のことだったようです。なお、文中に「消火山」という言葉が出てきますが、休火山のことではないかと思われます。
 
(9月3日)そこに夕刊の新聞売が来たので三通りばかりの新聞を買ひ、もう半立突の麦酒を取寄せて新聞を読むに、伊太利と希臘とが緊張した状態にあることを報じたその次に、“Die Erdbebenkatastrophe in Japan”と題して日本震災のことを報じてゐる。
 
新聞の報告は皆殆ど同一であつた。上海電報に拠ると、地震は九月一日の早朝に起り、東京横浜の住民は十万人死んだ。東京の砲兵工廠は空中に舞上り、数千の職工が死んだ。熱海・伊東の町は全くなくなつた。富士山の頂が飛び、大島は海中に没した。云々である。 

(9月4日)N君の持つてゐるけふの朝刊新聞の記事を読むと、きのふの夕刊よりも稍委しく出てゐる。コレア丸からの無線電報に拠るに、東京は既に戒厳令が敷かれて戦時状態に入つた。横浜の住民二十万は住む家なく食ふ食がない。ロイテル電報は報じて云。東京は猛火に包まれ殆ど灰燼に帰してしまつた。紐育電報が報じて云。大統領 Coolidge は日本の Mikado へ見舞の電報を打つた。それから能ふかぎり日本の震災を救助する目的で直ちに旅順港にゐる米国分艦隊をして日本へ発航せしめた。また、上海投錨中の英国甲鉄艦 Despatech 号も既に日本へ向つて出帆した。なほ、日本の地震はミユンヘンの地震計に感応し、朝の四時十一分頃から始まり五時少し前に最も強く感応した。云々。

(9月5日)けふは、もう日本震災のための死者は五十万と註してあつた。大小の消火山は二たび活動を始め、東京・横浜・深川・千住・横須賀・浅草・神田・本郷・下谷・熱海・御殿場・箱根は全く滅亡してしまつた。政府は一部京都一部大阪に移つた。東京は今なほ火焔の海の中にある。首相も死に、大臣の数人も死んだ。ただ宮城の損害が比較的尠く避難民のために既に宮城を開放した。仏蘭西大使館、伊太利大使館は全く破壊した。帝室博物館、二大劇場、帝国大学、日本銀行、停車場等も廃滅に帰し、電報電信の途は全く杜絶してしまつた。云々。

(数日後)併し飯くひに街頭に出ると、食店にゐる客などが態々私のゐる卓のところまで来て震災の見舞を云つた。ある時には、途中で行過がつた背嚢を負うた一人の老翁がまた戻つて来て、私を呼止めて見舞の言葉を云つて呉れたりした。日本からの直接通信が始めて英京倫敦に届いたといふのが新聞に出たが、それを読むと前に読んだ間接通信の記事内容よりももつと深刻であつた。また民衆と軍隊との衝突があり、朝鮮人と軍隊との市街戦が報じられてあり、新首相山本権兵衛子爵に対する暗殺企図、数名の大臣の死亡なども報じられてあり、五十万の人間と、五億ポンドの財産とが消失されたことを註してあつた。

(或日)日本軍艦数隻が沈没し、伊豆の大島が滅して半島の近くに新しい島が出来、神聖江の島が全く無くなつてしまつたといふ、さういふことなどは余り気にせぬやうになつた。

(10月14日以降)十月十四日にはじめて大阪毎日新聞九月三日の号外を手に入れ皆頭を集めて読んだ、『東京全市焦土と化す』といふ大きな見出しがあり、碓氷峠から東京の空が赤く焦げてゐるのが見えるとも書いてある。これは想像よりもまだまだ悲惨である。十五日には大阪のO君から大阪朝日新聞の週報を受取り、廿一日には参謀本部附のK少佐から大阪朝日新聞を借りて読んだ。深川の陸軍糧秣廠の広場で何十万の人の死んだ所や、両国の橋の墜ちた所などを読んだ。どうも息がつまるやうである。三面の方には、佐渡まで帰らうとしてやうやく長野市の停車場まで落延びて来たひとりの女を見るに、自分の髪の毛が全く焼け焦げ背には焼死んだ子を一人負つてゐるといふ記事などもあつた。

 
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-288)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 8月30日12:00 付けで更新情報を出しています:
 
今回の更新情報では、(1)7月中旬と下旬に観測された火山噴火型前兆変動と、(2)No.1778 関連前兆変動の現状について述べています。

火山噴火型前兆変動
  • 7月12日と13日に出現。
  • 八ヶ岳南麓で大きく、秋田観測点と高知観測点でも微弱ながら同期して観測。
  • 7月31日を中心に再びやや弱く出現。
  • No.1778 前兆変動に対応する地震が発生する際には、連動して火山噴火が発生する可能性を否定できない。

No.1778 関連前兆変動の現状
  • 現在は 八ヶ岳の 3つの観測装置で前兆変動が継続 —— CH21の特異変動、CH20 と CH26 に同期して現れている PBF特異変動。
  • 現時点で特異変動が継続しているため、2023年内の対応地震発生の可能性は否定できる。

推定日2023年内の発生の可能性は否定
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
推定震央領域 続報 No.353」所載の図5太線内
斜線の領域は火山近傍領域(震央域の一部が斜線領域内にある可能性あり)
推定規模 M8.0 ± 0.3
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震、火山近傍

 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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