2023年9月9日土曜日

モロッコで M6.9

 
9月8日深夜23時過ぎ(日本時間 9日07時11分) 、北アフリカのモロッコで M6.9 の地震がありました(震央地図)。震源地は人気の観光地であるマラケシュ(人口約 84万人)の南西約 72km。まだ、被害の報道は少ないですが、多くの建物が倒壊しているもようです。
 
EMSC(ヨーロッパ地中海地震学センター)は M6.9、震源の深さ 10km、USGS(米国地質調査所)は M6.8、深さ 18.5km、Geoscope は M6.9、深さ 24km、日本の気象庁は M7.0、深さ 約 30km としています。北アフリカのこの地域を襲った地震としては過去 120年以上で最大規模だったとのことです。

[9月10日追記: USGS は震源の深さを 26.3km に、震央の位置を南東に約 7km ずれた位置に更新しました。EMSC は地震の規模を M6.8 に、震源の深さを 12km に更新しました。]

[9月12日追記: USGS は震源の深さを 18.0km に、EMSC は 26km に更新しました。]
 
以下は USGS の "Tectonic Summary" の抄訳です ——
 
2023年9月8日にモロッコのオウカイメデネ付近で発生した M6.8 の地震は、マラケシュの南東約 75km にあるハイ・アトラス山脈内の浅い深さの斜め逆断層によって発生した。 この地震の発震機構解は、走向が北西で急傾斜の斜め逆断層、または走向が東で浅い傾斜の斜め逆断層で破壊が発生したことを示している。 ハイ・アトラス山脈には、東西方向と北東-南西方向に走る様々な横ずれ断層と衝上断層が分布している。今回の地震は、アフリカ・プレートとユーラシア・プレートの間のプレート境界から約 550km 南にあるアフリカ・プレート内で発生した。 この地震の発生場所では、アフリカ・プレートがユーラシア・プレートに対して西南西方向に年間約 3.6mm 移動している。[9月12日修正: USGS が移動速度を 24mm から 3.6mm に修正]

この地域で今回のような規模の地震が起きることは珍しいが、想定外ではない。1900年以降、この地震から 500km 以内では M6 以上の地震は起きておらず、M5 以上の地震は 9回しか起きていない。これらのほとんどは、今回の地震の東側で発生している。
 
 
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