2011年の東北地方太平洋沖地震の40分前から始まったとされる電離層の変動。その他のM8を越える大地震の前にも同様の変動が現れたとされています。しかし、これらの「変動」は電離層の観測データを分析する際に用いる基準線の設定の仕方によって生じた人為的結果であって、特に異常というわけではなく、地震の短期予知には役立たないという論文〝On the onset of ionospheric precursors 40 min before strong earthquakes〟が紹介されています:
東日本大震災直後某国立大学教授は、電磁気前兆現象を探して、予知はできるぞ!”と叫んだ。マスコミもその主張を大々的に垂れ流した。でも、他研究者の分析でわかったことだが、地震発生と関係がないシグナルだった。やっぱし、”前兆幻想”だった。
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— Robert Geller (@rjgeller) 2015, 10月 8
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