2009年7月31日金曜日

皆既日食と動物の行動 (続報)

7月 22日、インド、中国、日本の薩南諸島などで皆既日食が見られましたが、日本のほとんどの地域では部分日食となりました。当地(神奈川県・県央地区)では雲が全天を覆い、太陽はまったく見えませんでした。部分日食の食分が最大となる 11時過ぎ頃、空の明るさにまったく変化は感じられませんでしたが、近所の犬がしばらく吠え続けました。日食が原因かどうかわかりませんが。

7月 21日付の「皆既日食と動物の行動」という記事で、インドでは皆既日食が動物に与える影響を調査するプロジェクトが進行中であることを紹介しましたが、以下は、その観察結果を伝える記事です(正式の報告は後日出されるそうです):
記事の内容を以下にまとめてみました:
マドヤ・パラデシュ州にある Van Vihar 国立公園では皆既日食中の動物の行動の変化が専門家によって記録された。

「わが国でこのような調査がおこなわれるのは初めてのことである。予想以上に多くの動物がふだんとは異なる行動をとった。皆既日食によって空が暗くなると、あるものは非常に動きが鈍くなる一方で、別の種は異常に活発になった」と国立公園の園長は電話インタビューに答えた。

同国立公園は、専門家による 23のチームを結成し、日食中のさまざまな動物の行動を調査した。太陽が完全に月の背後に隠れると、トラ、ライオン、パンサーがねぐらにもどるのを専門家たちは目撃した。それらの動物は非常に動作が緩慢になった。一方、クマのような夜行性の動物は、いつになく活発に行動した。

シカなどの草食性の動物は異なる反応を示した。草食性の動物は、一般的に日中は別々に離れて草を食むものだが、突然集まって群を作り、日食の間はじっと立ちつくしていた。

夜明けからさえずっていた鳥類は、(日食がピークにさしかかる)午前 6時 20分から 6時 30分の間、沈黙した。クジャクとタゲリは例外だった。

若い動物は顕著な違いを見せた。ふだんは早朝に巣穴を出て、日暮れにまたそこへもどるという生活パターンをとるものが多いが、皆既日食になると彼らは大急ぎで巣穴にもどり、そこに籠もってしまった。

飼育員を含む専門家たちは、皆既日食の一週間前の 7月 15日から調査を開始した。同じ時間帯の動物たちのふだんの行動を記録し、皆既日食の時の行動と比較するためである。

動物は、地震や津波の襲来を事前に知る能力を持っているとされるが、今回の調査で日食を事前に察知した動物はいなかった。日食に先立って行動が変化する動物は見つからなかった。動物たちは、日食前にはふだんと変わりない行動を示していた。
インドでは、ほとんどの地域で日の出の時点で日食が始まっており、場所によっては皆既状態の太陽が昇ってくる地域もあったとのことです。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency