私の感想は、「長すぎる」、「理念が上滑りしている」というところです。「具体的内容がない」という批判もあるようですが、所信表明が目的なので、事細かに具体的な施策を語る必要はないと私は思います。
ところで、この長~い演説の中で、例の気色の悪い「友愛」という言葉は 4回しか出てきていません。少し意外でした。
「地震」という言葉は、3回使われています。以下に、その部分を引用します。
海外との関係に触れた部分で:
アジア太平洋地域は、その長い歴史の中で、地震や水害など多くの自然災害に悩まされ続けてまいりました。最近でもスマトラ沖の地震災害において、日本の国際緊急援助隊が諸外国の先陣を切って被災地に到着し、救助や医療に貢献しました。世界最先端レベルと言われる日本の防災技術や救援・復興についての知識・経験、さらには非常に活発な防災・災害対策ボランティアのネットワークを、この地域全体に役立てることが今後、より必要とされてくると思っております。「むすび」の部分で:
地震列島、災害列島といわれる日本列島に私たちは暮らしています。大きな自然災害が日本を見舞うときのために万全の備えをするのが政治の第一の役割であります。海外で災害が起きたときには積極的に助けに行こう、日本に災害が起きたときには海外の人たちがすすんで助けに来てくれる国になろうということで、まさに「友愛」の精神です。
また、同時に、その際、世界中の人々が、特にアジア近隣諸国の人々が、日本をなんとか救おう、日本に暮らす人々を助けよう、日本の文化を守ろうと、友愛の精神を持って日本に駆けつけてくれるような、そんな魅力にあふれる、諸国民から愛され、信頼される日本をつくりたい。これは私の偽らざる思いであります。
閣内には日本社会党の流れをくむ社民党の大臣も入っています。国内の大災害に際して、くれぐれも阪神大震災当時の社会党・村山内閣のような批判を招かないようにしてほしいものです。