2025年2月28日金曜日

伊豆東部火山群で地震急増

 
2月27日、伊豆東部火山群で地震が急増し、25件の地震が記録されました。このうち 2件は有感地震で、いずれも熱海市で震度1の揺れが観測されました(震央地図):
  • 01:16 伊豆半島東方沖 M2.2 深さ 10km(速報値)
  • 03:32 伊豆半島東方沖 M2.4 深さ 10km(速報値)
震央は伊東市の海岸に非常に近い海域で、1989年に海底噴火を起こした手石海丘地図)にも近い場所です。
 
 
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2025年2月27日木曜日

宇宙から見た超高層雷放電 Gigantic Jet

 
国際宇宙ステーションから撮影された超高層雷放電(巨大ジェット、Gigantic Jet)。2024年11月19日、メキシコ湾上空。普通の雷は、雷雲間や雷雲と地表の間の放電現象ですが、Gigantic Jet は雷雲から宇宙空間に向かう放電です。この現象は 2001年から 2002年にかけて台湾とプエルトリコの近くで発見されましたが、それ以来、撮影された写真は数十枚しかないそうです:
 
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三重県南東沖で深発地震、異常震域

 
2月26日14時53分、紀伊半島沖(震央地名:三重県南東沖)で M5.9、震源の深さ 398km、最大震度 2 の深発地震が発生しました(震央地図)。 

この地震で有感となったのは、震央から遠い栃木県、福島県、茨城県などで、震央に近い近畿地方や東海地方では無感でした(震度分布図)。震源付近に沈み込んでいる太平洋プレート内を震動が伝わった異常震域現象とみられています。震央付近では南海トラフから沈み込んだフィリピン海プレートの上面の深さが 10〜20km 付近、伊豆小笠原海溝から沈み込んだ太平洋プレートの上面が深さ 450km 付近にあります。
 
この地震の震央は南海トラフ地震の想定震源域に近いですが、震源の深さがはるかに深く、発震メカニズムも南海トラフ巨大地震とは異なっています。
 
右上図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより。
 
 
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衝突確率低下 — 小惑星 2024 YR4 (続報-5)

 

2月26日までの観測データでは、小惑星 2024 YR4 の衝突確率がさらに低下して 0.0022%(1/45000)となりました:
 
以下は最新の予報です:

2024 YR4 (2025年2月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2032年12月22日 17:33
 (月)2032年12月23日 00:07
接近日時 誤差
(地球)± 4時間02分
(月)± 3時間32分
接近距離(Nominal 最も可能性の高い距離) (地球)0.701 LD
(月)0.035 LD
接近距離(Minimum 最短の場合の距離) (地球)0.200 LD
(月)0.003 LD
推定直径
43 ~ 96 m
対地球相対速度
13.3 km/s ≅ 4万8000 km/h
初観測から地球接近まで
次の地球接近
公転周期1458 日 ≅ 3.99 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
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小惑星 2025 BO16 が月と地球に接近・通過

 
かなり大きな小惑星〝2025 BO16〟が 1月23日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 2月25日付のデータベース更新で明らかになりました。なぜデータベースへの記載が遅れたのか、理由はわかりません。
 
2025 BO16 (2025年2月25日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月23日 16:06
 (地球)1月23日 16:32
接近日時 誤差
(月)± 18 分
(地球)± 19 分
接近距離 (月)1.27 LD
(地球)0.58 LD
推定直径
12 ~ 27 m
対地球相対速度
15.5 km/s ≅ 5万6000 km/h
初観測から地球接近まで−3日
次の地球接近
公転周期830 日 ≅ 2.27 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年2月26日水曜日

移動するイエローストーン・カルデラ

 
 
 
ハワイ諸島についてはよく語られることですが、イエローストーン火山系もホットスポット上をプレートが移動することによってカルデラの列を形成しています(地図)。 以下は米国地質調査所(USGS)の "Yellowstone Caldera Chronicles" の記事です:
 
上記記事からの抜粋・テキトー訳です ——
 
噴火パターンや外観に違いがあるにもかかわらず、イエローストーンとハワイには根深い類似点がいくつかあります。世界中の火山系のほとんどは、沈み込み帯(ある地殻構造プレートが別のプレートの下に滑り込む場所、米国西部のカスケード山脈の下など)か、プレートの発散境界(地殻が引き離されるにつれてマグマが上昇する場所、大西洋中央海嶺沿いのような海盆の真ん中でよく見られます)に関連しています。しかし、ハワイとイエローストーンの火山活動は、マントル・プルームによって引き起こされます。マントル・プルームでは、地球のマントルが異常に高温で、浮力によって上昇しています。高温のマントルが浅いところまで上昇すると、溶融が起こり、火山噴火を引き起こすマグマ・システムが発達します。
 
マントル・プルームはプレート・テクトニクスとは独立して機能し、地球のテクトニック・プレートがその上を移動してもほとんど静止したままです。その結果、ハワイやイエローストーンのようなマグマ・システムは、長さに沿って年代が進む火山列を形成します。たとえば、過去1600万年の間に、現在イエローストーン・カルデラにマグマを供給しているホットスポットは、オレゴン州南東部とネバダ州北部のマクダーミット・カルデラからワイオミング州北西部のイエローストーン・カルデラまで広がるいくつかのカルデラ・システムを生み出しました。今では埋もれているこれらの火山系は、いずれもイエローストーン・カルデラと似ており、プレート運動によって火山系がホットポットから遠く離れ、マントル・プルームからのマグマ供給が遮断される前に大規模な爆発的噴火を起こしました。最終的に、それまでの火山の北東でマントル・プルームの新しい地殻位置の上に新しい火山の中心が形成されました。アイダホ州南部のスネーク川平原東部は、イエローストーン・カルデラから南西に移動するにつれて古くなるこの「古代イエローストーン」の連鎖を示しています。
 
同様に、現在ハワイの下にあるホットスポットは、過去8000万年の間にハワイ海嶺(Hawaiian Ridge)- 天皇海山列(Emperor Seamount chain)を形成しました。この火山の連なりは、ハワイ諸島から太平洋を越えて北西に行くほど古くなります。最も古い「古代ハワイ」は、ロシアのカムチャッカ半島沖にあります。
 
イエローストーンとハワイはどちらもマントル・プルームによって活動しているのに、なぜこの 2つの火山システムの挙動はこれほど異なるのでしょうか。理由はたくさんありますが、おそらく最も重要なのは両者の地殻の性質が異なっている点です。ハワイは海洋地殻の上にあり、その厚さはイエローストーンのある大陸地殻(厚さ約 45km)よりもはるかに薄い (約 10 km) のです。地殻が薄いため、マグマはより速く容易に上昇することができます。つまり、マグマは結晶化したり地殻と相互作用したりする時間がなく、流動性のある、つまり粘性の低い玄武岩質溶岩流として噴火する傾向があります。噴火はより頻繁に発生し、噴出量は少なくなる傾向があります。対照的に、イエローストーンの下にある厚い大陸地殻は、マグマが簡単に上昇することを妨げます。その結果、このマグマは地殻内で停滞して蓄積します。このプロセスによって、時間が経つにつれて、イエローストーンの下にある地殻のほとんどに広がる大規模なマグマ系が発達しました。このマグマ系には、イエローストーンの劇的な噴火の源となる上部地殻(深さ 5~19 km)の大きな流紋岩マグマ溜りが含まれています。
 
——
 

板塊、海槽

 
 香港の英字紙 "The Standard" の記事です。日本の南海トラフで大地震が発生した場合の香港への影響について書いています。
 
「南海トラフ沿いで地震が発生した場合、約6時間後に津波が香港南東海域に到達する可能性がある」、「南海トラフ沿いの浅いマグニチュード 9.1 の地震は香港に大きな津波をもたらす可能性がある一方、マグニチュード 8.0 の地震は、目立たない可能性のあるわずかな水位変動を引き起こすだけである」:

おもしろいのは掲載されている地図です。プレートは「板塊」、海溝は日本と同じですが、トラフは「海槽」となっています。コンピューター関連の古い書物に、磁気ディスクが「磁盤」、磁気テープが「磁帯」、文字列が「文字連糸」とあったのを思い出しました。
 

小惑星 2025 DN6 が地球と月に接近

 
小惑星〝2025 DN6〟が 2月27日に地球と月の近くを通過します。
 
2025 DN6 (2025年2月25日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月27日 02:53
 (月)2月27日 15:05
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.78 LD
(月)1.13 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
6.0 km/s ≅ 2万2000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2064年5月19日ごろ
公転周期574 日 ≅ 1.57 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2025 DT5 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2025 DT5〟が 2月17日に地球と月の近くを通過していたことが、2月24日付の NASA/JPL によるデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 DT5 (2025年2月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月17日 11:57
 (月)2月17日 19:54
接近日時 誤差
(地球)± 12 分
(月)± 10 分
接近距離 (地球)0.56 LD
(月)0.32 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
11.8 km/s ≅ 4万2000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近2137年12月24日ごろ
公転周期918 日 ≅ 2.51 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年2月25日火曜日

衝突確率低下 — 小惑星 2024 YR4 (続報-4)

 

2月24日までの観測データでは、小惑星 2024 YR4 の衝突確率がさらに低下して 0.0027%(1/37000)となりました:
 
最新の予報によると、最悪の場合の接近距離は地球の中心から測って 0.191 LD(7万3317 km)となっています。
 
 
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近畿圏中心領域大型地震 (続報-328)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の 串田嘉男 氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 2月24日21時00分付けで「続報 No.396」(PDF形式)を出しています ——
 
「 CH32 特異変動継続で初現再検討
→ 2/27±3を示す可能性
Stage-31 の CH32 特異変動 本日 20時継続
→ 2/28 以降を示す 静穏化確認必要 」
 
前回の更新情報 
 
CH32 観測装置の特異変動が 2月22.5日に静穏化の場合は 2月24日~27日に地震発生の可能性。

現況 
 
CH32 観測装置の特異変動は断続的に継続 → 2月26日以前の地震発生の可能性は否定。特異変動は本日(24日)午後も継続中。
 
推定 
 
CH32 観測装置に弱い特異変動現れた 2月11.7日を初現、2月17.2日を極大として経験則[初現~地震発生]:[極大~地震発生]= 20:13 を適用すると 2月27日±3日(2/24~3/2)を得る。CH32 の特異変動は 2月24日午後も継続中のため 2月26日以前の発生は考え難い → 2月27日~3月2日に地震発生の可能性。
 
CH32 観測装置の特異変動静穏化時期と地震発生時期の関係は以下のとおり:
  • 2月24.8日ごろ静穏化 → 2月27.4日地震発生
  • 2月25.5日ごろ静穏化 → 2月28.4日地震発生
  • 2月26.3日ごろ静穏化 → 3月01.4日地震発生
  • 2月27.0日ごろ静穏化 → 3月02.4日地震発生
  
[注]特異変動については『 FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料 』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日 2月28日~3月2日の可能性
CH32の特異変動の静穏化待ち、静穏化後修正
CH32の変動が 2月28日以降も継続の場合や
2月27日~3月2日に極大出現の場合は再考予定
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
前者の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.396 」所載の図4参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は極めて低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
群発的な活動の可能性もあり
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2025年2月24日月曜日

小惑星 2025 DT2 が地球と月に接近

 
かなり大きな小惑星〝2025 DT2〟が 2月26日に地球と月の近くを通過します。
 
2025 DT2 (2025年2月23日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月26日 05:23
 (月)2月26日 12:30
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.76 LD
(月)1.23 LD
推定直径
13 ~ 30 m
対地球相対速度
9.9 km/s ≅ 3万5000 km/h
初観測から地球接近まで4 日
次の地球接近2029年2月26日ごろ
公転周期487 日 ≅ 1.33 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

衝突確率低下 — 小惑星 2024 YR4 (続報-3)

 

2月23日までの観測データでは、小惑星 2024 YR4 の衝突確率がさらに低下して 0.0050%(1/20000)となりました。トリノ・スケールは "0" に引き下げられました:

この小惑星の発見以来、最悪の場合の接近距離は地球の中心から 0.002 LD とされてきたのですが、2月23日までの観測データによって 0.160 LD(61349 km)となり、地球の半径(6378 km)より大きくなりました。


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2025年2月23日日曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-327)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の 串田嘉男 氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 2月22日17時30分付けで「続報 No.395」(PDF形式)を出しています ——
 
「 CH32 の弱い特異変動 断続的に継続しました
本日昼 2/22.5 に静穏化の場合
『対応地震 2/24 (~27) 発生の可能性有』 」
 
前回の更新情報 — 対応地震が 2月22日±2日に発生する場合には、CH32 観測装置の弱い特異変動が 2月21日未明に静穏化する可能性。2月21日未明に CH32 が静穏化しない場合には続報。

現況 — CH32 は 2月21日未明に静穏基線になったが、断続的に特異変動が出現。22日は短時間の弱い変動のみ。昼過ぎ(2月22.5日)から完全静穏基線が継続中。
 
推定 — 2月22.5日に静穏化したのだとすると、2月24日±3日発生の可能性。2月23日以前の可能性は考えにくいため、2月24日(誤差 ~2月27日まで)発生の可能性が示唆される。
  
 
[注]特異変動については『 FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料 』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日
2月24日(誤差 ~27日)
仮に上記期間に発生がない場合、CH32 変動継続や 2月24日±2日に極大出現の場合は再考
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
前者の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.395 」所載の図3参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は極めて低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
群発的な活動の可能性もあり
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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小惑星 2025 DZ2 が地球と月に接近


2月23日、小惑星〝2025 DZ2〟が地球と月の近くを通過します。
 
2025 DZ2 (2025年2月22日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月23日 15:14
(月)2月23日 19:06
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球) 0.49 LD
(月)1.42 LD
推定直径
3 ~ 7 m
対地球相対速度
12.0 km/s ≅ 4万3000 km/h
初観測から地球接近まで 1 日
次の地球接近 2034年8月7日ごろ
公転周期 473 日 ≅ 1.30 年
分類
アポロ群
  (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。