2022年11月15日火曜日

アヒイ海山が噴火 — マリアナ諸島

 
マリアナ諸島のアヒイ海山(Ahyi、地図)が噴火したもようです。以下は、米国地質調査所・北マリアナ諸島火山観測所の発表です:
 
上掲発表の概略です ——
 
10月中旬から、ウェーク島の水中音響センサーが、海底火山の活動に一致する信号を記録し始めた。タヒチの地球物理学研究所と共同で、この水中音響信号とグアム島や日本の父島にある地震観測所のデータを組み合わせて解析した結果、この活動の発生源はアヒイ海山かその近辺であることが示唆された。さらに、11月6日の衛星画像には、アヒイ海山の位置で海面が変色しているのが写っている。この海域には他にもいくつかの海山があるが、これらのデータはアヒイ海山が噴火していることを強く示唆している。

水中音響信号は現時点でも継続しているが、検出された事象の数は過去3日間は減少している。

アヒイ海山は大きな円錐形の海底火山で、その山頂は海面から79m以内にあり、北マリアナ諸島のファラロン・デ・パハロス島(地図)の南東約18kmに位置している。過去の活動時には海面の変色が観測されている。
 
1979年には漁船の乗組員が山頂付近で衝撃を感じ、それに続いて硫黄を含んだ海水の湧昇があった。

2001年4月24日から25日にかけて、爆発的な海底噴火による地震波がツアモツ諸島(フランス領ポリネシア)ランギロア環礁の地震観測所で検出された。この震源はアヒイ海山の南麓を中心とする ±15kmの範囲にあり、海山の頂上はその範囲内にある。

2014年4月24日から5月17日にかけて、新たな噴火が、北マリアナ諸島の複数の火山に設置された地震計とウェーク島の水中音響センサーのアレイによって観測された。また、NOAA(国立海洋大気庁)のダイバーが、近くのファラロン・デ・パハロス島でサンゴ礁の調査を行っているときに爆発音を聞いたと報告している。この 2014年のアヒイ海山の噴火では、山頂付近に新たなクレーターが形成され、南東側の山腹には大きな地滑り地形が発達した。