2022年11月9日水曜日

スーパーシア地震は考えられていた以上に多い

 
スーパーシア地震(超剪断地震)は、断層の破壊が進む速度が S波の伝搬速度を超える地震のことで、大きな被害を起こす可能性が高いと考えられていますが、これまでは比較的希な現象とされてきました。カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームが過去20年間のデータを分析した結果は、スーパーシア地震がこれまで考えられていたほど珍しいものではないことを示しているとのことです:
 
以下は『nature asia』の記事の概略です —— 

『Nature Geoscience』誌に掲載された研究によると、2000年から2020年の間に発生した横ずれ断層による大地震のうち、少なくとも14%がスーパーシア地震であった。この研究結果は、このような破壊的結果をもたらす可能性のある地震が、これまで考えられていたよりも 50%多く発生していることを示唆している。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の Lingsen Meng 教授のチームは、過去20年間に横ずれ断層によって起きたすべての大規模地震(Mw 6.7以上)のデータを分析し、これまで報告されていなかった4つのスーパーシア地震を特定した。評価した地震のうち、14%がスーパーシア地震と判定され、以前に確認されていたよりも 50% 多かった。
 
新たにスーパーシア地震と認識されたこれらの地震はすべて海底で発生したものであり、海底でも陸上と同様にスーパーシア地震が発生していることが示唆された。
 
これらのスーパーシア地震が発生した断層を観察した結果は、幅の広い断層帯ほどスーパーシア地震が起きやすいことを示している。また、たとえば、海洋と大陸の境界にある断層などのように、断層の両側にある物質が異なることも要因である可能性がある。