2018年8月16日木曜日

アラスカ北東部で M6.4 (続報)


8月12日に米国アラスカ州北東部で M6.4 の地震が発生しましたが、この領域の地震や観測態勢について私はほとんど知りませんでした。アラスカ州南部では海溝沿いで地震が多発し、火山噴火も多いので比較的なじみがあるのですが・・・。私と同じような方もおられると思いますので、以下にいくつか資料を紹介したいと思います。出典は、主としてアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska, Fairbanks)のアラスカ地震センター(Alaska Earthquake Center)のウェブサイトやツイートです。

震源の分布: 1970年以降の震源と、判明している活断層が描き込まれています。図の左上の部分を除いて、ほぼまんべんなく震源が分布しています:

地震観測点の分布: 未開の地域が多く人口密度が低い割には、意外に観測点が多いというのが私の印象です。赤い星印は今回の地震の震央です:

余震分布(本震発生から8時間後まで): 本震(M6.4)と約1時間後に発生した最大余震(M6.0)の間で、震源が東西方向に分布しているのがわかります。今回動いた断層の走向もこの方向だと思われます。南北方向にも震源が並んでいるように見えますが、次の図ではこの傾向が見えません(この図の震源は自動決定されたもので、地震学者による検討を経ていないようです):

上の地図で左上の海岸沿いの部分に薄い緑色で描き込まれているのは、油田またはガス田です。この地図や先に示した「震源の分布」でも、油田やガス田がある領域ではほとんど地震が発生していないことに留意してください。今回の地震の震源域も、最寄りの油田またはガス田から数十km離れています。石油やガスの採掘が今回の地震の原因だとする説には根拠がないようです。

余震分布(本震発生から48時間後まで): 地震学者による検査済みの余震分布です。2つ描き込まれている震源球は、左が本震(M6.4)、右が最大余震(M6.0)です:

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