2009年11月19日木曜日

川が突然、断層の中に消えた

現場は、南米コロンビア北東部、サン・アンドレスという町から約 800m 離れたところです:
川と断層の位置関係(直交、並行など)はわかりません。「突然」と書かれているのですが、具体的にはどの程度の時間(数分、数時間、数日?)がかかったのか、また、きっかけとなる地震などがあったのかも不明です。サン・アンドレスの位置と周辺の地形は、以下のグーグル・マップで確認できます:
このニュースで思い出したのは、以前、天平時代の大地震とその前兆かもしれない現象をリストアップしていたときに目にした以下の記事です。コロンビアの件とは様相が異なりますが … :
天平 15年 6月 26日 山背(やましろ)国司が次のように言上した。今月 24日の酉の刻から戌の刻(午後6時頃から8時頃)の間、宇治川の水が枯れてしまって、通行する人は歩いて渡りました。

『続日本紀(中) 全現代語訳』(宇治谷 孟、講談社学術文庫)
前月の 5月に雨乞いをした旨の記録があるので、干ばつが原因とも考えられます。しかし、2時間だけ水がなくなり、その後は元のように水が流れたというのは、いささか不思議です。この前後 1~2年、さまざまな天変地異が記録されており、天平 17年 4月 27日(西暦 745年 6月 5日)に、伊吹山地の南東麓、関ヶ原古戦場の北東 4キロ付近で M7.9 の内陸大地震が発生しています。『理科年表』の「日本付近のおもな被害地震年代表」には、「美濃: 櫓館・正倉・仏寺・堂塔・民家が多く倒潰し、摂津では余震が 20日間止まなかった」との記載があります。