2009年11月2日月曜日

イランが首都移転計画をスタート

人口が密集した世界の大都市の中で、特に地震に対して脆弱だといわれるのは東京ですが、イランの首都テヘランや、トルコのイスタンブールもしばしば名前が挙げられます。11月 1日付の英国『ガーディアン』紙などの報道によると、イランが首都テヘランの移転計画をスタートさせたとのことです:
計画は最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師によって発議され、最高評議会(expediency council、公益判別会議)で承認されたとのことです。

テヘランが首都となったのは、東京より古く 1795年(江戸時代、寛政年間、第 11代将軍・徳川家斉の治世)のことです。20世紀初頭には人口 25万人だったものが、急激に膨張して現在は 1200万人。そのため、都市基盤の整備が追いつかず、無秩序な開発によって交通渋滞や環境汚染が深刻化しています。ほとんどの建物の耐震性はないに等しく、大地震が発生すれば 100万人を超える犠牲者が出るといわれています。

イランは日本と並ぶ地震大国です。中規模の地震が毎日のように発生しています。2003年には、南東部の都市バムで大地震が発生し、約 4万人が犠牲になっています。首都テヘランの地下には少なくとも 100本の断層が走っており、そのうちの 1本は総延長約 100km。地震学者によると、テヘラン北東部では、近い将来に M8 の大地震が起きる可能性があるということです。

まったく新たに都市を建設して新首都とするのか、既存の都市を改造して首都機能を移転するのかは決まっていないとのことです。いずれにせよ、新首都の位置は、テヘランの南方にある 2つの都市、コムとデリージャーンの間になりそうだということです。両都市の間の地域では、過去 2000年間、まったく地震が発生していないということが、理由になっています。

地図で調べた限り、上記 2つの都市はテヘランからあまり離れていません。大丈夫なのでしょうか。それに過去 2000年間地震がおきてないから、逆に、地下に歪みが蓄積しているということも考えられます。

イランで、首都移転計画が持ち上がったのは 20年前のことだそうです。しかし、当局が真剣に移転を検討しだしたのは、2003年のバム大地震で多くの犠牲者が出て以降のことだそうです。日本の東京の場合も同様で、首都機能移転は、これまで何度も話題になっては立ち消えになっています。政権交代があったことですし、日本も首都(機能)移転を真剣に考えた方が良いのではないでしょうか。