2009年11月19日木曜日

今年の獅子座流星群

11月 18日(水)早朝にピークを迎えた今年の獅子座流星群ですが、流星の出現数は全体的に見て「普通」のレベルだったようです。アメリカ・ユタ州を中心とした地域では、大火球が出現したことが報じられています:
こちらの記事には、上記の大火球が残したと思われる長大な「流星痕」の写真があります:
典型的な流星痕の写真が以下にあります。獅子座流星群が大量出現した 2001年に撮影されたものです。流星痕は、初めは流星の軌跡に沿って出現しますが、時間の経過とともに上空の風に流され、変形していきます。この写真の流星痕でも、高度によって風の速度や方向が違っていることがよくわかります:
以下は、20世紀最大の出現といわれた 1966年の獅子座流星群の写真です。獅子座にある輻射点(放射点)から放射状に無数の流星が飛んでいることがわかります。流星のもととなる微小天体は、並行して地球大気圏に突入してくるのですが、遠近法の効果でこのように一点から広がって飛び散るように見えます。鉄道のレールを見たとき、本来は平行な 2本のレールが、遠方では一点に収束し、自分に近づくにつれて開いているように見えるのと同じです。地震前兆関係の掲示板やブログでは、しばしば「放射状雲」なるものの報告を目にしますが、そのほとんどは遠近法の原理で説明がつくものです。
輻射点から自分の方に向かってくる流星があったとしたら、どのように見えるでしょうか。この場合、普通の流星のように線状に流れるのではなく、輻射点近くの一点がパッと光り、さっと消えるだけです。そのため、静止流星と呼ばれます。私は、学生時代の流星観測会で 1度見たことがあります。パッと光った後、さっと消えなかった場合は、…… わかりますよね。

静止流星については、以下のページの中ほどに説明があります:

余談: 『地震の掲示板ブログ』というところの「現在の情報」(2009年11月18日(水)12時34分39秒)というタイトルの記事で、以下の新聞記事に掲載されている獅子座流星群の写真に対して「まあ~、沢山w」とコメントしています。誤解する方があるかもしれませんが、たくさん写っているのは実は流星ではなく、恒星です。固定カメラで撮影したために、日周運動によって移動し、線状に写っています。流星は、画面上部に 1本ひっかき傷のように写っているのが目立つ程度です:

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