2009年11月8日日曜日

人工ブラックホール

ブラックホール関連の話題を 3つ。初めは、中国の科学者が人工ブラックホールを作ったという記事です:
記事を読むとわかるのですが、大質量による強い重力であらゆる物質やエネルギーを吸い込むという本物のブラックホールではなく、デスクトップ(卓上)・ブラックホールといって、別の手段で光などの電磁波を吸い込み、最終的には熱エネルギーに変えてしまう装置のようです。

2つ目は、日本・中国・韓国の共同研究チームが模擬ブラックホールを作ったという記事です:
こちらも、「ブラックホール周辺の環境を地上につくり出すことができた。高出力レーザーを使うことで、将来はブラックホールそのものをつくれる可能性が出てきた」ということで、本物のブラックホールを作り出したわけではありません。新聞記事のタイトルには、ミスリーディングなものが多いと思います。

3つ目は、宇宙誕生直後の状態を再現する実験過程で、偶然マイクロ・ブラックホールができてしまい、地球に大災厄をもたらすかも知れないとうわさされた CERN(欧州原子核研究機構)LHC(ラージ・ハドロン・コライダー、大型ハドロン衝突型加速器)に、ふたたび不具合が生じたという情報です:
まるで「見えざる手」が実験を阻止しようとしているようです。LHC でマイクロ・ブラックホールが生成される危険性については、その可能性がきわめて低く、仮にブラックホールが生成されても瞬時に蒸発(崩壊)してしまうとのことです。しかし、ヨーロッパでは、実験の差し止めを求めた訴訟が起こされています。

なお、ブラックホールの「蒸発」については以下を参照してください: