NASA は、計画通りであれば 2027年に有人月面着陸を行うことになるアルテミス計画を推進しています。しかし、トランプ政権下で強い影響力を持つスペース X 社のイーロン・マスク氏の意向が反映されて計画が見直されることになるかも知れません。また、トランプ政権の方針によって、すでに NASA のウェブ・サイトなどに変化が生じています:
以下は上掲記事からの抜粋・テキトー訳です ——
マスク氏は、月を優先すべきではないと考えており、X(Twitter)で月を「邪魔」と呼んでいる。これはスペース X 社 特有の見方かもしれない。マスク氏はスターシップが人類を火星に連れて行くと約束しているからだ。例えば、2016年にマスク氏は、人類が初めて火星に到着するのは 2024年だと述べている。マスク氏はトランプ政権で非常に大きな影響力を持っており、その影響力が NASA の戦略を決定づけるまで及ぶかどうかははっきりしていない。
トランプ氏は就任演説でも火星について言及し、「我々は星々への『明白な運命(manifest destiny)』を追求し、火星に星条旗を立てるためにアメリカ人宇宙飛行士を打ち上げる」と述べた。この発言により、多くの人々が NASA の現行の計画を心配するとともに、トランプ氏の意図を懸念している。「明白な運命」は「白人至上主義の人種的教義」であるため、非常に物議を醸す比喩表現であり、この言葉はアメリカ先住民(Native Americans)から土地を奪ったり、米国がハワイとフィリピンを支配したりする際に使用されている。
(トランプ大統領が NASA の長官に指名した)アイザックマン(Jared Isaacman)氏が議会で承認された場合、アルテミス計画が大幅に変更されるかどうかは不明だ。確実なのは視野が異なることだろう。NASA は数年前から、アルテミス計画は初の女性と初の有色人種を含むアメリカ人を再び月に連れて行くだろうと述べていた。トランプ政権が多様性と包摂性(diversity and inclusion)に対してとってきた人種差別主義的と評されるアプローチの中で、このようなキャッチフレーズが生き残る可能性は低い。
NASA はすでに、障害者を支援する合理的配慮方針を説明したウェブ・ページを削除しており、これはアメリカ障害者法に違反する可能性があるとみなされている。"404 Media" は、NASA が職員に対し、アクセシビリティ、先住民、環境正義、女性、特にリーダーシップをとる女性に関するあらゆる言及を削除するよう指示したと報じた。これは、NASA を率いる初の女性であるジャネット・ペトロ長官代行にとって最優先の措置だった。
すべてが計画通りに進めば、アルテミス 2号は来年打ち上げられ、オライオン・カプセル(Orion capsule)の初の有人試験として 4人の宇宙飛行士に月を周回させる。この試験と(スペース X 社の)スターシップが成功すれば、アルテミス 3号は 2027年半ばに宇宙飛行士を月面へ運ぶことになる。
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