2025年2月1日土曜日

欧州宇宙機関(ESA)が声明 — 小惑星 2024 YR4

 
 
欧州宇宙機関(ESA: European Space Agency)も小惑星 2024 YR4 の衝突可能性について発表しています。衝突する可能性が低いことを強調する内容となっています:
 
以下は上記発表からの抜粋・テキトー訳です。NASA や IAWN の発表とは数値が微妙に違っている部分があります ——
 
小惑星 2024 YR4 は 2032年12月22日に地球のそばを安全に通過する可能性がほぼ 99% ありますが、衝突の可能性を完全に排除することはできません。
 
地球上のどこに衝突する可能性があるかを正確に判断するには時期尚早です。

地球近傍小惑星 2024 YR4 は、2024年12月27日にチリのリオ・ウルタド(Río Hurtado)にある小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS: Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System)望遠鏡で発見されました。

発見直後、自動小惑星警報システムは、この物体が 2032年12月22日に地球に衝突する可能性が非常に低いと判断しました。2024 YR4 の大きさは 40 メートルから 100 メートルと推定されています。このサイズの小惑星は平均して数千年に一度地球に衝突し、地域に深刻な被害をもたらす可能性があります。
 
この天体は ESA の小惑星リスク・リストのトップに上がりました。1月初旬から、天文学者たちは世界中の望遠鏡を使用して優先的な追跡観測を実施し、新しいデータを使用して小惑星の大きさと軌道に関する理解を深めています。

2025年1月29日現在、ESA は、小惑星 2024 YR4 が 2032年12月22日に地球に衝突する確率は 1.2%と推定しています。この結果は、NASAの地球近傍天体研究センター(CNEOS)とNEODyS による独立した推定と一致しています。

小惑星 2024 YR4 は現在、トリノ衝突危険度スケールのレベル 3 に分類されています。これは、天文学者と一般の人々の注意を要する接近遭遇です。小惑星の衝突確率は、多くの場合、最初は上昇しますが、追加の観測後に急速にゼロに低下することを覚えておくことが重要です。これが起こる理由については、ビデオによる説明ご覧ください。

小惑星 2024 YR4 は、おそらく50メートルよりも大きく、今後 50 年以内のある時点で衝突確率が 1% を超えると推定されています。したがって、この小惑星は、国連が承認した 2 つの小惑星対応グループ、国際小惑星警報ネットワーク (IAWN: International Asteroid Warning Network) と宇宙ミッション計画諮問グループ (SMPAG: Space Mission Planning Advisory Group) を活動させるために必要なすべての基準を満たしています。

NASA が議長を務める IAWN は、小惑星の追跡と特性評価に関与する国際組織間の調整を担当しています。適切と判断されれば、IAWN は小惑星衝突の影響の分析と必要な対応策の立案において世界各国の政府を支援するための戦略を策定します。

ESA は IAWN のメンバーであり、現在、追加の観測を調整し、リスク評価を定期的に更新しています。

この小惑星の軌道は偏心しているために細長くなっています。現在、ほぼ直線的に地球から遠ざかりつつあるため、軌道が時間の経過とともにどのように曲がるかを調べても、軌道を正確に決定することは困難です。

今後数ヶ月で、この小惑星は地球から見えなくなり始めます。この間、ESA は、より高性能な望遠鏡による小惑星の観測を調整し、最終的にはチリにあるヨーロッパ南天天文台(European Southern Observatory)の超大型望遠鏡(Very Large Telescope)を使用して、できるだけ多くのデータを収集します。

2032 年に衝突する可能性を完全に排除できるようになる前に、小惑星 2024 YR4 が視界から消えてしまう可能性があります。この場合、小惑星は 2028 年に再び観測可能になるまで ESA のリスク・リストに残る可能性があります。

ESA が議長を務める宇宙ミッション計画諮問グループ SMPAG は、国際的な情報交換を促進し、共同研究と共同ミッションの機会を作り、小惑星 2024 YR4 に関する地球近傍物体の脅威緩和計画活動を実施する責任を負っています。

グループは、来週ウィーンで予定されている会議で次のステップを決定します。小惑星の衝突確率が 1% の閾値を超えたままであれば、SMPAG は国連に勧告を行い、潜在的な危険に対する探査機を使う対応のさまざまな選択肢の評価を開始する可能性があります。
 
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