2016年5月23日月曜日

富士山はこうして噴火する


富士山が噴火する時、どのようなことが起きるか。宝永噴火の前に御殿場や須走ではどのようなことが起きていたのかを、『富士山の噴火 万葉集から現代まで』(つじよしのぶ、1992、築地書館)から表にまとめてみました(日付は旧暦です):

10月4日 宝永地震、大津波。
11月10日 このころから、富士山麓の村々で1日に3~4回、地響きのような音が聞こえるようになる。
富士山は地震後も絶え間なく揺れているという噂。
11月22日、23日に大地震が来るという風聞が流れる。
11月20日 このころから、人々は避難用の小屋を作り、小屋で暮らすようになる。地震が頻発するようになる。
11月22日午後2時ごろから地震回数急増。
11月23日午前6時ごろと午前8時ごろに大音響と共に大地震発生。宝永地震で半壊した家の多くが全壊。
午前10時ごろ、激しい鳴動音が始まり、音で気絶して倒れる者が多くいた。富士山の南斜面森林限界付近に噴煙が立ち昇る。おびただしい量の火山灰が噴出し始める。
午後6時ごろ暗くなると、昼間は煙と見えていたものが、みな炎に見えた。


山麓で地響きのような音が聞こえ始めてから約2週間で噴火に至っています。気絶する者が出るほどの激しい鳴動音がしたという記録には驚きました。

ここにまとめたのは御殿場や須走から見た宝永噴火前の様子です。ほかの方角や離れた場所からの記録は別の機会にまとめてみたいと思っています。


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