2016年5月13日金曜日

セント・ヘレンズ山で地震増加


セント・ヘレンズ山地図)はアメリカ合衆国北西部・ワシントン州にある活火山ですが、1980年に山体崩壊をともなう大噴火を起こしたことで有名です。5月5日付の米国地質調査所(USGS)の発表によると、同山で今年3月半ばから小規模地震が増加し、マグマ溜まりに新たなマグマが溜まりつつあるとのことです:

以下は、USGSの発表要旨です:
  • 2016年3月14日から、セント・ヘレンズ山の深さ2kmから7kmの範囲で小規模地震が発生し始めた。

  • 過去8週間で、震源の位置が特定できた地震の数が130を越えた。規模が小さく位置が特定できない地震の数はさらに多い。

  • 最大の規模はM1.3。ほとんどの地震はM0.5以下である。

  • 地震の発生頻度は3月以来着実に上昇しており、1週間あたり約40に達している。

  • マグマ溜まりに新たなマグマが徐々に流入することによって、マグマ溜まり周辺にストレスがかかり地震が発生しているとみられる。

  • 現在の地震活動のパターンは、セント・ヘレンズ山で2013年と2014年に見られた群発地震と似ている。1990年代に発生した群発地震では、地震の発生頻度がもっと高く、地震の規模も大きかった。

  • 今回の群発地震では、異常なガスの放出、山体の膨張、浅い所での地震発生の増加などは観測されていない。差し迫った噴火の兆候も見られない。

  • マグマ溜まりの再充填は、1987年から2004年にセント・ヘレンズ山で観測されたように、何年にもわたって噴火を伴わずに継続する可能性がある。


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