2015年9月27日日曜日

NASA: 火星についての重要な科学的発見


NASA(アメリカ航空宇宙局)が米国東部時間9月28日11時30分(日本時間29日午前0時30分)から〝a major science finding from the agency’s ongoing exploration of Mars〟(現在進行中の火星探査から得られた重要な科学的発見)について記者会見を行うと発表しました:

28日11時に科学誌〝Nature〟の最新号に掲載された論文の内容詳細が解禁されるのを待っての記者会見です。NASAの「重大発表」の予告ははこれまでも何回か経験していますが、期待はずれがほとんどでした。今回はどうでしょうか。

報道では、記者会見に臨む5人のメンバーのうち特にジョージア工科大学の Lujendra Ojha 氏(写真ホームページ)が注目されています。同氏は地球型惑星の進化を中心に研究を行っており、ホームページにも画像が掲載されている火星のRSL(Recurring Slope Lineae、斜面に繰り返し現れる線状のパターン)現象に関心を寄せています。この現象は、気温が上昇する時期にのみ低緯度から中緯度にあるクレーターの斜面に現れます。塩類を含んだ液体の水が斜面を流れ下っているという見方が大勢です。今回の記者会見で語られる「重要な科学的発見」とは、火星表面で液体の水の存在が確認されたことではないか、と推測されています。

RSLの現れる地域は、2020年以降に打ち上げられる次期火星探査車の着陸地点の候補に挙がっていますが、強い反対意見もあります。探査車を完全に滅菌する方法がない中、液体の水、そして場合によっては火星土着の生物が存在するかも知れない場所に探査車を送り込むことは地球のバクテリアによる汚染や土着生物の絶滅を招きかねないという懸念があるからです。


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