ケプラー 186 という恒星の周りのハビタブル・ゾーン内で、地球と同じ大きさの惑星を発見した、と NASA が4月17日付で発表しました。 この惑星は ケプラー-186f と名づけられています。ハビタブル・ゾーンとは生命居住可能領域のことで、主星からの距離が適切で水が液体として存在できる範囲を意味しています:
以下に発表の内容をまとめます:
- この太陽系外惑星はケプラー宇宙望遠鏡によって発見された。ハビタブル・ゾーンを公転する地球サイズの惑星としては最初のものである。
- ハビタブル・ゾーンでこれまでに発見されていた太陽系外惑星は、最小のものでも地球より40%大きかった。
- ケプラー-186f の大きさは地球と同じだが、その質量や組成はわかっていない。しかし、これまでの研究によってこのサイズの惑星は地球型惑星(岩石惑星)である可能性が高いことがわかっている。
- ケプラー-186f は、地球から約500光年の距離にあるケプラー-186系に属している。同星系は「はくちょう座」にある。
- ケプラー-186系には他に4つの惑星が見つかっている。
- 同星系の主星ケプラー-186 の大きさと質量は太陽の半分で、M型矮星(赤色矮星)に分類される。このタイプの恒星は銀河系の恒星の70%を占めている。
- ケプラー-186f は主星のまわりを130日で公転しており、地球が太陽から受けるエネルギーの 3分の1 に相当するエネルギーをその主星から受けている。このことは、同惑星がハビタブル・ゾーンの外縁部に位置することを意味している。
- ケプラー-186f の表面で真昼に見える主星の明るさは、日没1時間前の太陽の明るさに過ぎない。
- ケプラー-186 を周回する他の4つの惑星、ケプラー-186b、同c、同d、同e は、主星ケプラー-186 のまわりをそれぞれ 4日、7日、13日、22日で公転しており、生命が存在するには表面温度が高すぎる。これら 4つの惑星の大きさは、すべて地球の 1.5倍よりも小さい。
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