以下は『OurAmazingPlanet』の11月8日付記事です。北海道大学・理学研究院附属・地震火山研究観測センター准教授の勝俣啓氏の研究を中心に、地震に先行して現れる地震活動の静穏期について解説しています:
- Long Lulls Could Help Predict Impending Quakes (長い静穏期は今後おきる地震の予知に使えるかも知れない)
He predicts that an area near Tokyo could soon be hit by a devastating magnitude 9 quake.
彼は、もうすぐ東京に近い地域が壊滅的な被害をもたらすマグニチュード 9 の地震に襲われることもありうる、と予測している。上記記事の一部を以下にテキトー訳します。まず静穏期についての概説です:
過去数十年にわたって、科学者たちは、中規模や大規模な地震の前には静穏期があると示唆してきた。静穏期には小規模な地震が通常よりも減少し、それが15ヵ月から75ヵ月間続く。これは、この期間に断層に歪みが蓄積するからだと考えられている。しかし、静穏期の存在がどの程度一般的なのか、どのような性質を持っているのか、どのように定量化すれば良いのかについては、未だによくわかっていない。概説のあと、「静穏期を探す」という節で北海道大学の勝俣啓・准教授の研究内容を紹介しています。まとめると ――
- 2003年十勝沖地震 M8.3(『理科年表』では M8.0)には、他のいくつかの地震で見られたような先行地震はなかった。
- 十勝沖地震前の9年分の地震活動を分析。北海道地域で発生した M3.3以上の地震約2000件が対象。本震の4年から5年前に、本震の震源やそのそばの2つの領域で地震活動が42%から49%低下していたことを見いだした。
- 見いだされた静穏期は、他の大地震の前に見つかっていた静穏期と同様の継続期間であった。1976年 ケルマディック地震 M7.9、1986年 アンドレアノフ島地震 M7.9(アリューシャン列島)、1994年 北海道東方沖地震 M8.3 (『理科年表』では M8.2)などに同じような長さの静穏期があった。
- この研究の詳細は、10月15日付『Journal of Geophysical Research-Solid Earth』誌に掲載。将来は、科学者がM8級地震の5年前から始まる静穏期に目を光らせるようになるかも知れないと示唆。
- 「地震の静穏期は、地震の中期的予知の分野で最も有望な手法だと考えている。中期的とは数年の期間を意味している」と勝俣氏は『OurAmazingPlanet』に語った。
勝俣氏は3月に日本の東北地方沿岸部を襲った M9.0 の壊滅的な地震についても調査した。勝俣氏は、1965年から2010年の間に日本で発生した M4.5 以上の地震 5770件を分析し、東北地方で1987年から地震活動の静穏期が始まっていたらしいことを見いだした。この知見の詳細は、『Earth, Planets and Space』誌のオンライン版に9月27日付で掲載された。
「20年を超えて継続する地震の静穏期はマグニチュード9規模の地震の前兆であるという仮説を立てています」と勝俣氏は語っている。
この研究は、日本の房総地域の静穏期も明らかにした。
「私の仮説が正しければ、房総地域で次のM9地震が発生するでしょう。房総地域は東京に非常に近い」と勝俣氏は警告している。以下も参照してください:
- A long-term seismic quiescence started 23 years before the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake (M = 9.0) (勝俣氏の論文、PDF形式、長期の静穏期が2011年東北地方太平洋沖地震(M=9.0)の23年前に始まっていた)
- 宮城県沖、22年間「静穏期」 大地震の前兆? 北大地震研 (『河北新報』 2011年6月17日付記事、PDF形式、地震の静穏化が認められた地域を示す地図あり ― 地震活動の静穏化が宮城・房総・四国沖で進行 )
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