7月23日の気象レーダーの画像にもとづいて、カリフォルニア州南部で火山噴火が起きたと指摘する動画が YouTube のサイトに投稿され、USGS(アメリカ地質調査所)に問い合わせが殺到、同調査所が否定の声明をウェブサイトに掲載する騒ぎがありました。以下はそれを伝える新聞記事です:
問題の動画は以下です:
- 7/23/2011 -- CALIFORNIA Volcanic eruption at Pisgah Crater-- need video ASAP
- 7/24/2011 -- California Pisgah volcanic "event" -- full recap -- LINKS BELOW
動画を見ると、たしかに濃いプリューム(噴煙)のようなものが一点から立ち昇っているように見えます。動画の投稿者によれば、プリュームの出現と時を同じくして地震も発生しているとのこと。
一方、USGSはきっぱりと否定しています:
USGSは否定の根拠として、衛星写真に水蒸気や火山灰の噴煙が写っていないこと、プリュームが立ち昇ったとされるピスガ・クレーター(Pisgah Crater、地図)を含むラビック・レーク火山域(Lavic Lake Volcanic Field)から半径20マイル(約32km)の範囲内では地震が発生していないこと、地上の観測者や上空を飛ぶ航空機のパイロットから火山活動の報告がないこと、などをあげています。
上記の地図で左上にあるスケールを操作して倍率を拡大していくと、クレーターの周囲に真っ黒い溶岩が流れ出した痕跡を見ることができます。このクレーターが最後に噴火したのは25000年前のこととされています。
レーダーに写ったプリュームは十中八九は気象性のものだと思われます。しかし、ひょっとしたら地震の前兆ということもあるかもしれません。真偽のほどはわかりませんが、一点から吹き出すような雲の流れは地震の前兆であると考える人たちもいます(たとえば Zhonghao Shou氏)。プリュームが現れた場所は、地殻のひずみが臨界状態に達し、いつ大地震が起きてもおかしくはない、といわれているサン・アンドレアス断層系がある地域にあります。
Zhonghao Shou氏が、大きな被害を出したイランのバム地震(2003年12月26日、直下型 M6.3)の前兆であったとする雲の動画が以下にあります。Shou氏は、アースクエイク・ベイパー(Earthquake Vapor)と呼んでいます。一地点から吹き出しているように見える点が、今回のプリュームと似ています:
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