2010年12月27日月曜日

マントル構成鉱物の超塑性を実験で確認

「地球内部のマントルと同じ組成を持つ鉱物が、溶けてもいないのに水あめのように変形」する超塑性(superplasticity)と呼ばれる現象が実験的に確認されました。固体のマントルがなぜ流動するのかについての理解が進むことが期待されます:
  1. 鉱物が水あめ状に変形 地球内部の「超塑性」初確認
  2. 地球の岩板、水アメ状に変形 東大など、地震解明に道
  3. Mantle superplasticity and its self-made demise (マントルの超塑性とその自律的停止)

『産経新聞』の記事(上掲 1)では 「地震予知に役立つ可能性もあるだろう」 としか書かれていませんが、『日本経済新聞』の記事(上掲 2)には以下のように記述されています:
地震が発生する際は、地下の断層でくっついていた硬い岩が割れてはがれ、揺れを引き起こす。このとき、断層より深い部分の岩石が超塑性で曲がると、ひずみを蓄積するため、地震の発生などに影響する可能性がある。超塑性を考慮して断層を調べれば、地震の発生時期や大きさなどの研究に役立つとしている。

超塑性による変形が進むと鉱物粒子が成長するため、変形が自律的にストップするとのことです。深発地震の謎の解明にも結びつくかも知れません。

12月初旬には、以下のようなニュースもありました。地球の外核とマントルの間に 「硫黄や酸素などの軽い元素を約5%含むと推定される」 層が存在することが、地震波の解析によって明らかになったという記事です:

地球の核から軽い元素が分離・上昇することは、地磁気を発生させているダイナモ作用の維持に関与している可能性があるとのことです。


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