2009年4月6日月曜日

銀山とゴキブリ(補足)

先の記事「銀山とゴキブリ」に関連して、ゴキブリに関する地震前兆事例を調べてみました。ただし、銀山の坑内と地震とでは、ゴキブリが出現した場所から、岩石のなかで圧力が変化する場所までの距離がまったく違うので同列に扱うわけにはいかない点に留意してください。

以下の事例は、阪神淡路大震災(兵庫県南部地震、1995 年 1 月 17 日午前 5 時 46 分発生)について、『前兆証言 1519!』(弘原海清、東京出版)から抜き書きしたものです:

地震の前にゴキブリが現れたという事例
  • 約 6 時間前、宝塚市: 1 月 16 日午後 11 時 30 分頃、突然ガス警報機が鳴り出した。その時ガスは使っておらず驚いて見たところ、警報機のなかからゴキブリが数匹はい出して来た。普段ゴキブリを見ることはない。
  • 約 10 時間前、門真市: 門真市に住む知人の話によりますと、地震前夜(16 日夜)帰宅すると階段の昇り口に、ゴキブリとナメクジが数匹はいまわっていたそうです。そこはコンクリートの地肌剥き出しの場所。暖房はいれてませんし、近くに熱源もなく大変冷たい所です。今まで、1 月に彼等を見かけた経験など全くありません。「おかしいな」と思っていたら、その夜阪神大震災!
  • 1 日前/ 2 日前、松原市: 前日か前々日か確かではありませんが、この真冬に出るはずの無い「ゴキブリ」がノロノロと 1 匹はい出してきていました(1 階)。動きは鈍く、簡単に捕まえることが出来ました。大きさは成虫でした。
  • 3 日前、奈良市: 3 日前からゴキブリが部屋の中央へヨタヨタと出て来て完全な冬眠状態で、あのすばしこい昆虫が動こうとしませんでした。3 匹も 4 匹も毎夜出てきます。ハエタタキでバタバタたたきましたが、全く逃げる気配がなく簡単にとれました。不思議なこともあるものだと、首をかしげていた所です。今は、ほとんど顔を見せません。また出て来ましても、サッと逃げ、もう平常通りに戻っております。
  • 約 1 週間前、大阪市: 私の友人の家は、大阪京橋の近くのマンションですが、地震の起こる 1 週間ほど前、冬には姿を見せないゴキブリが、部屋の中に 3 ~ 4 匹よたよたと顔を見せたそうです。
  • 約 2 週間前、神戸市: 団地の 3 階でゴキブリを全然見なかったのに 1 月に入ってから何匹も出て来てビックリしました。
地震の前にゴキブリがいなくなったという事例
  • 2 ~ 3 日前から、摂津市: この夏ぐらいにはじめてゴキブリの赤ちゃんが出るようになりました。夜台所の電気を消してしばらくしてまた電気を付けると、赤丸印の所に置いていた台所用スポンジの辺りに 5 ミリぐらいのが数匹いつもウロウロしていました。(略)ところが(地震の)2 ~ 3 日(はっきりしませんが 1 週間もの間はありません)前からバッタリそれこそ 1 匹も見かけなくなったのです。全部つぶしていなくなったと思いきや 10 日以上たった頃、成長したと思われる 1 センチぐらいのがいたので隠れていたのだと思います。
  • 前年から、神戸市: 去年頃からネズミも見なくなり、ゴキブリも激減していた、(略)
  • 不詳、池田市: (略)またゴキブリも全く姿を隠したように思います。最近は出て来ました。
なお、『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版)には、安政東海地震、関東地震、東南海地震、伊豆大島近海地震などについて非常に多くの前兆事例が集められていますが、私が探した限りではゴキブリに関する事例の記載はありませんでした。