2009年4月27日月曜日

アースクェイク・ウェザー

NWS(National Weather Service、アメリカ国立測候所)の筆頭予報官だった気象学者が、アースクェイク・ウェザーについて書いています。アースクェイク・ウェザーとは、明るい日差しのある暖かい天気のことで、こういう天気のときに地震が起きやすいとの迷信が流布しています:
記事では、まず気象と地震が関係するとの考えを以下のようにバッサリ切り捨てています:
すべての季節、あらゆる気象条件のもとで地震の揺れは起きている。地震は地下何マイルもの深さで進む地質学的プロセスに起因するものであるのに対して、風・雨・温度・気圧の変化などの気象要因は、地表面とそのすぐ下にしか影響しない。地震を引きおこす強大な力は、天候によってもたらされる相対的に弱い力がまったく届かない地下深くに集中している。
そして、アースクェイク・ウェザーの迷信は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの考えに起源があると述べています:
暖かい日をアースクェイク・ウェザーとみなす迷信は、アリストテレスに起源があると思われる。紀元前 350年に、この古代ギリシャの哲学者は著書『Meteorologica』(気象論)の中で、地震は地下の大洞窟に閉じこめられた暖かい風によって起こると理論づけた。アリストテレスは、弱い地震は(閉じこめられた)空気が洞窟の天井を押すことによって起こり、大地震は(閉じこめられていた)暖かい風が地表にまで吹きだすことによって起こると考えた。この考えは、『Meteorologica』に記述されている他の多くの概念と同様、科学的妥当性がないと見なされている。