5月20日付け「多数の地割れが拡大 ― 大分県豊後大野市」の続報です。
大分県豊後大野市朝地町綿田地区(地図)で発生している地割れは、範囲が広がり、数が増え、幅の拡大ペースが加速しています。原因は依然としてわかっていません。
報道当初は
- 直径約300mの範囲に20カ所以上、大きいものは長さ約20m、幅約9cm
- 直径300~400mに58カ所、長さ30m、幅30cmに達しているところもある
市の測定によると、地割れの拡大ペースは5月16~20日は平均で1時間当たり0.94mm、20~21日は1時間当たり1.5mmと加速しています(市では「計測方法が違うため単純比較はできない」としています)。
当初は1世帯2人が自主避難していましたが、市は21日に3世帯10人に避難勧告を出しています:
地割れが生じている地区(報道によってはこの地区の別の場所)では、1964年に大雨で土砂崩れが発生した記録があるとのことです。
なお、この地区の近傍を震央とする被害地震としては、「1975年大分県中部の地震」(M6.4、最大震度4)と「2006年大分県中部の地震」(M6.2、最大震度5弱)があります。前者は熊本県阿蘇地方でM6.1の被害地震があった3ヵ月後に発生したもので、震源の深さが非常に浅く0kmとされていますが、地表に断層のずれが現れた確かな例は見つかっていません。後者は震源の深さが146kmで、大分県の下に沈み込んだフィリピン海プレートの内部で発生した地震とされています。
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