2022年8月12日金曜日

神社の森から水が噴き上がる、高さ30〜40m — 北海道長万部町

 
8月8日夕方、北海道長万部町にある飯生神社(いいなりじんじゃ、地図)の森から、轟音とともに水柱が周囲の木々をはるかに超える高さ30〜40mまで噴き上がり、現在も続いています。水温は23℃で、灰色に濁っており、周辺には硫化水素臭が漂っているとのことです。

「(水柱は)1958~59年にかけ温泉を掘る工事をした井戸から出ている」との報道がありますが、北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所の専門家は「現場には1950年代に掘られた天然ガスの井戸の跡があり、老朽化で井戸が損傷しガスと地下水が噴出した可能性がある」と解説しています。

さらに、「周辺では、61年前にも大量の水が自然に噴き出す現象が起きていて、その時は、2、3日で噴出は収まった」との報道もあります:

61年前(=1961年)にも同様の現象が起きていたということですが、北海道では1961年から62年にかけて2つの大きな地震が起きています(長万部町から震央までの距離は遠いですが):
  • 1961年8月12日 釧路沖 M7.2
  • 1962年4月23日 十勝沖 M7.1
 
 温泉や地下水の異常は大きな地震の前にはかなり起きているようですが、温泉についてはあまり報道されません。温泉の温度や湧出量の変化、変色、濁りなどは、客足が遠のくことを嫌ってあまり表沙汰にはされないのでは、と思っています。

東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)の前には、北海道や東北地方で次のような異変が報道されました:
 
[備考]8月11日 00:35 宗谷地方北部 M5.1、深さ10km、最大震度5弱; 8月11日 00:53 宗谷地方北部 M5.3、深さ10km、最大震度5強; 8月11日 02:14 宗谷地方北部 M4.6、深さ10km、最大震度4(いずれも震央距離は約295km)

[備考]8月20日 22:45ごろ 内浦湾 M2.3、深さ10km、最大震度2(震央距離 約85km)
 
 
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